第5話 逆恨み

数日後リア達は予定の時間より

早く庭の手入れを始めていた。

黒い雲が空に広まっているからだ。


「リアははお前か!」


「は、はい」


「お前のせいで、私達が罰を受けた!」


二花用人の一人が目の前にいたリアの頬を

強く打った。それを合図に他の二花用人は

アイやアヤメを強引に押さえつけた。


「助けを求めても無駄だ。女官長達は今

執事室にいるから、声は届かない。

私達と同じように罰を受けるのだ」


再びリアの頬を打とうとした

その時


「そこで何をしておる!」


威厳のある声が遠くから聴こえた。

ここにいる全員が頭を下げる。

正室や側室、女官長、副女官長以外の

女性は許可が無い限り顔を上げては

ならない決まりがある。


「お前、二花用人だな。何故お前ごときの

身分で罰を下す?処罰権を行使できる

のは女官長だけであろう」


「も、申し訳ありません」


「武官長、ここにいる二花用人を厳罰室に

連れていけ」


「承知いたしました」


武官長の命を受け、二花用人達は

取り押さえられた。


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