第14話 スカウト活動!





「ストライク!バッターアウト!」




俺は朝からGIRLSリーグ同士の練習試合に来ていた。




俺は天見さんに貰った資料を自分で新たに添削した資料と、今行われてる試合の選手を実際に見比べて、独自に作った能力表にざっくりと点数を書き込んでいく。



能力表は某ゲームを真似てSからGまでで能力をつけようと思ったが、幅が少なすぎて分かりずらいため0から100で数値化することに決めた。




何をもって100点なのかというと、春休み前に過去の全国大会の試合をここ3年分確認して、打撃能力、守備能力、投手能力、走塁能力で全国トップクラスであろう選手達を100点として採点することにした。



そして全国大会に出場してる選手の能力の最低ラインを50点とした。

全国大会といっても一芸に秀でる選手も多く、全部が全部上手という訳でもない。




その表の内容だが、今日の試合を見ているチームのエースピッチャーを例にして紹介しよう。



中田さん


身長約160cm、体重55kgくらい?



打撃能力

項目は上から順に重要。


長打力 20

バットコントロール 20

選球眼 20

直球対応能力 40

変化球対応能力 10

カット技術 不明

バント技術 不明

打撃フォーム スタンダード。打つ瞬間にややドアスイング気味。



守備能力


守備範囲 投手のため不明

打球反応 80

肩の強さ 60

送球コントロール 55

捕球から投げるまでの速さ 80

バント処理 80

守備判断能力 70

積極的なカバー 100



走塁能力


足の速さ 55

トップスピードまでの時間 40

盗塁能力 不明

ベースランニング 30

走塁判断能力 不明

打ってから走るまでの早さ 10

スライディング 不明




投手能力


最高球速 108キロ

コントロール 65

平均球速 104キロ

変化球 3球種。カーブスライダーフォーク

投球フォーム オーバースロー。やや手投げ気味で歩幅が小さい。

スタミナ 70

フィールディング 90

クイック 80

牽制の上手さ 80




ざっくりとこの項目を作った。

点数で決めていないところもあるが、俺が点数をつけてこれから何百人も見ていくうちに本当のお目当てな選手が見当るだろう。



中田さん。

8番投手で2年生からエースナンバーで弱小チームを現主将として引っ張っている。


去年チームは8つの大会に出て戦績は1勝8敗。

福岡のGIRLSリーグの中では最弱のチームだろう。



打者としての能力はちょっと評価に値しないが、投手能力は悪くは無い。



ビックリしたのがとにかく守備が上手かった。

相手のバントをチャージして2塁で2つアウトにした時はおっー。という声が自分自身から漏れた。



ピッチャーを諦めてくれるなら、ショートやセカンドにコンバートすればかなり守備のいい内野手になれそうだが…。

流石に投手として頑張っている選手にそのような提案をしてまでスカウトはしない。



これから投手技術も上がっていい選手になる可能性もあるので、彼女にはこれから頑張ってくれるのを期待しよう。





今日初めてスカウトとして、試合を見に来て白星高校に選手を入学させなくてはならないが、それよりも前に俺が納得できない選手を連れてきても意味が無いと強く思った。





「はー…。俺のお眼鏡にかなって尚且つ入ってくれる選手は何人いるのだろうか。」




中田さんは選手として少し気にはなった。

投手じゃなく野手だったらスカウトしてもいいかなと思った位で、それ以外の選手は俺がスカウトしたい選手はおらず、そのままグランドを後にするのであった。






俺は家に帰ってすぐにロードバイクを買いに行った。

姉から貰ったお金でそこそこいい値段のするやつを買うことにした。



スカウトに使う交通費は学校が用意した交通用電子マネーにそこそこの金額が入っていた。

あまりにも遠いところだとこのお金を使わせてもらおうと思った。




俺はスカウトで自分のトレーニングの時間が取れないのが分かり、ロードバイクで下半身のトレーニングを兼ねて色んな試合会場に行くことにした。




そして、ここから俺の苦労の連続が始まるのであった。




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