第5話 悲しい気分になるゴミたち

 ゴミを回収していると、不意に悲しみにぶん殴られることもあります。

 そういうわけで、今回は悲しい気持ちを呼び起こすタイプのゴミを、三種類ほど紹介していいます。


 その一、空のウイスキー瓶

 男性用女性用問わず、そこそこの頻度で発見します。ゴミ箱の中に入っている場合は「不燃物の日に出し忘れた家庭ゴミを持ってきたのかな?」などとも思いますが、個室の床に少し中身が残った状態で置いてある等、明らかにその場で飲んだ形跡が見られることも多々あります。

 商業施設のトイレでウイスキーをあおらないとやってられない、そんな状況の方がいたのかと思うと、やるせない気分になります。

 願わくば、彼らや彼女らに、平穏が訪れますように。


 二、書籍

 小説にしろ、漫画にしろ、専門書にしろ本というものが好きな人間なので、見つけるとかなり気分が沈みます。読み終えたからなのか、期待した内容と違ったからなのかは分かりませんがなにも捨てなくても……、と思ってしまいます。たしかに、古本屋に売ってしまうと、作者の利益にならない等の別方向の問題もあるとは思うのですが……。

 ちなみに、雑誌の場合は、見かけてもあまり気分が沈みません。

 ……この違いは、なんなんでしょうね?


 三、食品

 食べ物を粗末にすると、目玉が潰れる。そんなことを言われて育った世代だからか、食品系のゴミはかなり心が痛みます。

 それでも、食べのこしくらいならまだ、事情が分からなくもないですが……、それどころではないものも捨ててあることがあるのです。


 例えば、手つかずの食パンが一斤だとか。


 ひょっとしたら、手つかずのまま捨てたのには――


「プレゼントにはやりの高級食パンもらったんだけど、いま糖質制限中だし」


 とか――


「お義母さまってば、私が小麦アレルギーなのをご存知なのに、毎回食パンを買ってくるんですから……」


 あるいは――


「実は元カノから呪いを受けて……、プレゼントされた食パンをすぐにゴミ箱に捨てないと、ハイイロチョッキリに変身してしまう体質になってしまったんです!」


 ――等の事情があったのかもしれませんが……。


 手つかずの食品を見かけるたびに、「必要のないもらい物の食品を無駄にしないための仕組みがあればいいのに。もちろん、安全とか衛生だとかに対応したかたちで」、などと考えたりします。

 ちなみに、三番目の呪いを受けている方がいらっしゃったら、こっそり教えていただけると嬉しいです。


 以上、遭遇すると悲しくなるゴミたちについての話でした。


 

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