第2話 氷は燃えているか?

 昨今のレジ袋有料化のためか、町中でエコバッグを見かけるようになりました。ネットショップ等でも、様々なデザインや機能のものが売られているみたいです。


 そんなエコバッグの中には、ちょっとしたクーラーボックスなみの保冷機能がついたものもあったりします。環境にも優しいし、食材の鮮度も保てるしで、こういったエコバッグを重宝している方も多いことでしょう。かくいう私も、食料品の買い出しの際には重宝しています。


 だからなのでしょう、保冷関係のごみが増えてきたのは。


 清掃の巡回ルートには、食品売り場付近のトイレも含まれています。レジ袋有料化以降、そこのゴミ箱の中に保冷剤が捨てられていることが多くなったように思えます。ちなみに、私が働いている場所では、保冷剤は「可燃ごみ」に分類されいるので、ゴミ箱に捨てていただいても問題はありません。(あくまでも、常識的な範囲の量で、ですが……)


 ただ、ビニール袋に詰められた氷が捨てられていたときは、大いに悩みました。


 いえ、処理としては、氷を袋から出して清掃作業用の水場に捨てるだけなのです。だから、難しい作業が発生したから悩んだわけではないのです。

 

 ただ――


 氷が……、可燃ごみ……?

 溶けるけど燃やせないよね?

 いや、でも、私が無知なだけで、燃やす方法があるのか?

 そもそも、燃やすってどういうことだっけ?

 何かが酸素と結びつくことだったような……。

 なら、過酸化水素水なんてものがあるし、燃やせたりするのか?


 ――という、理系科目をサボって久しいことがバレバレな疑問が、頭から離れなくなってしまったのです。


 ただし、どんなに疑問に思っても、業務中です。スマートフォンで調べるわけにもいきません。なので、ムダに悩んだままその場の清掃を終わらせて、次の場所へと向かいました。


 ただ、変な疑問が、あまり用量の多くない頭の大半を埋め尽くしてしまったせいなのか――

 

 清掃が完了したことを記録するチェック表の記入を度々忘れそうになる。

 数分前に補充したトイレットペーパーの数を忘れて、何度も個室を確認する。

 トイレに入る際「失礼いたします」と言うところを「おつかれさまです」と言い間違える。

 

 ――等々、残りの業務時間中は、かなりのポンコツぶりを発揮してしまいました。

 

 それでも、トラブルや事故が発生しなかったのは、不幸(?)中の幸いでした。



 ちなみに、帰宅時に色々と検索した結果、「水は燃えない」、という結論にいたったのですが、もしも間違いだったらそっと教えいてだけると助かります。 

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