第二十六話 結ばれた二人。

 「淡藤あわふじ、その、ごめん。」


 淡藤の中に入れてすぐに出てしまった。


 「ん?大丈夫、ちゃんと気持ちよかったよ。」


 確かに情けないくらいに早かったけど、その事じゃない。


 「いや、その事じゃなくて、中にだしちゃった。生で。本当にごめん。」


 あぁ、きっと怒るだろうな。

当たり前だ。

淡藤に嫌われるだけならまだいい。

でももし赤ちゃんが出来てしまったら、淡藤の人生を壊してしまうかもしれない。

最低だ。


 「あー、そっちか、それも大丈夫だよ。心配してくれてありがとうね。」


 「大丈夫って……。」


 あんな大変な事をしてしまったのに。


 「私さ、産婦人科で貰ってるお薬飲んでるからさ、赤ちゃんできないの。生理重いからそれを抑えるやつ。」


 「……え?、あ、良かったぁ。」


 「んー?つむぎは私と赤ちゃん作るの嫌なのかなぁ?」


 ほっぺをプックリ膨らませている。


 「いやいやいや、違うって。もし赤ちゃんができたら、ほら、僕達未成年だし、お金だって無いし。」


 これは本心だ、神にも仏にも父さんにも誓える。


 「えー、本当かなぁ?」


 「本当だって!」


 「うーそっ、大丈夫、紬が優しいのはわかってるよ。ありがとう。」


 淡藤は悪戯な笑顔でニヤニヤしながらそう言った。

くそー、からかわれてるのにかわいいと思ってしまう。

これが世に言うかわいいは正義ってやつか。


 「それでさーあー、紬さあ、なにか言うこととか、なぁい?」


 言うこと?なんだろ。


 「えーっと、ありがとう?」


 「ちがーう、まあいいか。今更だけどさ、私達、お付き合いとか、したりしない?」


 「え、あ!はい、こちらこそお願いします!嬉しいです。」


 「良かった。よろしくね、彼氏君。」


 こんなかわいい幼馴染が初めての彼女とか恵まれすぎてないか?

明日は家から出ないようにしよう、事故に遭うぞ。


 「じゃあ、パンツ履こっか。」


 「あ……。」


 お互いまだ曝け出したままだった。

やばい、思い出したらまた……。


 「ん、おやおや〜?私の内腿に熱いモノが当たってるぞ〜。」


 「……ごめん。」


 「いいんだよ男の子だし、私で興奮してくれたのも嬉しいし。」


 淡藤の心が広くて良かった、なんとか抑えて早くパンツを履いちゃおう。


 「あーんっ。」


 「うわっ!?」


 またあのあったかくてトロトロの感触に包まれた。


 「ちょっ、淡藤?」


 「このままじゃ辛いでしょ?今度こそお口でしてあげるね。そのまま出していいから。」


 そのまま出す!?口の中に?

あれってビデオだけのことじゃないのか?


 淡藤の口はやっぱり気持ち良かった。

経験の浅い僕に長く耐えられるわけもなくすぐに出てしまった。


 「うっ!」


 「んんんっ……。ぷはぁ、いっぱい出たね。気持ち良かった?」


 「……紬、どしたの?」


 「え?、あぁ、すごかった。」


 飲んだ。

僕の精液を、淡藤が。

飲んだ。


 「飲むのって、あの、不味くないの?」


 「んー?好きな人のなら全然気にならないかな。美味しかったよ。」


 淡藤も全然経験ないって言ってたのに、僕とは雲泥の差だ。

全部リードされてしまった。

女の子って進んでるんだな。

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