第80話ミーツ・ザ・ストレンジャー

「五宮さあ、写真撮らせてくれない?あまりにいい被写体だしさ」


フレイユは首を傾げるが「別にいいわよ」と答える。


北雄はスマホを使って何べんかシャッターを切る。


いい写真が撮れた。


「ありがとう。今日とか時間あるの?」


「お誘い?」


「まあ、なんつうか挨拶程度にお茶でもと思ったんだけど」


「ふ〜ん」


フレイユはそう唸ってから、右手を顎に添える。


「まあこないだ言った通り私はあなたのことを想ってる。友達から始めてもいいかな?」


「そりゃいいよ。君みたいに魅力的な人と友達になれるなんて願っても無い」


「そう、良かった」


「お茶しに行くかい?」


「今日はやめとく。夕方から塾なの。中間テスト終わったら行きましょう。またね」


フレイユはそう言って階段を降りて行く。


ウキウキと軽快な靴音だ。


スマホが鳴る。


見覚えのない番号。


電話に出ると大先生だった。


「坊や、元気だった?外泊の許可が出たから会いましょう」


ようやくセックスにありつけるのか……。


2021(R3)10/15(金)



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