第41話魅惑のナイト・オーバー

朝目が覚めて、時計を見るとまだ明け方4時。


寝直そうと思うが、寝付けない。マジかよ。


仕方なくテレビをつける。


星空の映像が流れてる。


起き上がって机の椅子に座る。


机の上には無造作に教科書やノートが散乱してる。


昨日は柄にもなく勉強に熱中していた。


一度は習ってることだから楽勝だと思ってたらとんでもない。


我が校は学力が高いので、高2でも高3で習う範囲も入ってくる。


未知との遭遇みたいな項目もかなりの頻度で出てくる。


周りのペースについていけないので、せめて予習をしていた。


塾も行った方がいいのか……。


バイトしたいけど勉強ばかりで余裕がない。


今日授業サボるかな。


集中力が散漫だ。


あとお金を作るのには宝くじとか、自分のCDを売るか。


CDなんて二束三文か。


部屋の中を眺めてみる。


質素な部屋だな。我ながら。


ろくに売るものがない。


ステレオセットも諦めますか。身の丈に合ってない。


このまま順当にいけば、1年半で高校を卒業できる。


問題は神奈子と大先生のことだった。


ぼーっとしてたら大先生から連絡が来る。


「坊や、またしたくなっちゃった。今日夜にでもどう?」


断る理由はないような、あるような……。


微妙だが……。


「いつものラブホの近くの喫茶店で待ってるわね」


魅惑のささやきである。


男なら据え膳食わぬは……っといきたい所だが、う〜ん。


これじゃ授業中延々に悶々としそうだ。


2021(R3)9/4(土)





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