第18話覚悟が1mmも足りないね

期末テストの結果が出た。


1位桐蔭一馬

2位五宮フレイユ

3位東郷院龍平


桐蔭とういんの牙城はやはり崩れない。野球部の4番サードでしかもルックスもいい。


こういう男学校に1人くらいいるよな。


五宮ごのみやフレイユは今回頑張ったが、桐蔭にはかなり差をつけられてる。


俺はというと98人中80番。


前回より順位が下がった。


無情だな。


廊下の貼り紙見てると、向こうから小森虹子こもりにじこがやって来る。


去年の同級生でちゃんと進級して今は3年B組だ。


この女は童顔でやたら胸がでかい。背丈も低くて中学生でも通じそう。


仁科以上にセクシャルなようでいて、どうも女として見れない。


好みじゃないんだろうな多分。


「影川……ふーん80位か、前はどんべの方だったのに、勉強してるんだ」


「嫌味かよ。お前は3年では何位なんだよ?」


小森は両こぶしを腰に当てエヘンという感じで「38位だよ。もうすぐAクラス」


なんか誰かグラドルで似てるやついるな。思い出せん。


「お前誰かに似てるって言われない?」


「別に言われないよ」


確か床上に告白してたよな。


「まだ床上のこと好きなの?」


「えー!ええ」


明らかに動揺してる。


「なんでそのこ……」


「いやたまたま聞こえちゃったんだ」


俺は頭をボリボリ掻く。


「そういや業者テスト、明日だけど3年はあるの?」


小森がしどろもどろになってるので話題を変えた。


小森は息をついて「一応3年も明日あるよ」と吐き出すように言う。


そのまま何も言わずに小森は掲示板から離れた。


なんか背中が小さい。


それにしても床上の奴、彼女はいらんらしいが、罪な男だ。


あんな小さな女子を悩ませてる。


今度もっと突っ込んでイジメてやろう。


2021(R3)8/5(木)












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