第7話宿命のすれ違い

生徒会副会長2年A組五宮ごのみやフレイユ。


才色兼備の彼女の唯一の泣き所は引き籠もりの妹カレンだろう。


両親は二人とも海外で暮らしてる。


カレンは15歳になるが、中学もろくに行かず籠り切ってる。


高校は行く気がないらしい。


たまに時間を問わずシンセサイザーを大音量で弾いてる。


家が三階建ての豪邸なので近所迷惑にはならないが、ユーチュウーバーにでもなるつもりなのか?


カレンの世話は家政婦に霧島永久代きりしまとわよにすべて任せてるので、フレイユはここ一年くらいカレンと会話してない。家ですれ違ったのもこの一か月で2、3回である。


ミス・パーフェクトと呼ばれ、下手な男子生徒より権力を持ってるフレイユは家に友達を入れない。


カレンは三階の四室を占拠していて、バスもトイレも完備されてるので、下に降りて来ることはまずない。夜中にコンビニに行ってるようだが、完全な女王様状態であった。



五宮フレイユ、彼女がのちに景川北雄かげかわきたおに深く関わってくる。


景川は縁のない女と思ってるが、所詮世の中、男と女だけ。何が起こるかは神のみぞ知るんだろう。





景川北雄は銭湯で湯船に浸かりぼーっとしてる。


ステディー越波神奈子えつなみかなことは半月くらい会ってない。


俺が高校ダブって呆れてんだろう。


ああ、やりてえなあ。


またお風呂ランドのスポットで床上と女の裸の品評会しようか?




銭湯を出ると五宮フレイユとすれ違う。向こうは当然気付かない。


後ろ姿も凛々しく、北雄はちょっと見惚れる。


2021(R3)5/25(火)






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