第6話SUNDAY MORNING
日曜日……。
土日はテレビがつまらんから、大体喫茶店に避難する。
神奈子に連絡しようと思ったが、頭に角が生えてるので今は合わん方がいいだろう。
隣の部屋からドスンドスンとドラムの音が響く。
親父だ。またレコード聴いてる。
最近仕事減ってるみたいだし、俺は高校ダブルし、申し訳ない限り。
親父のライブラリーのからマイルス・デイビスのCDを3枚ほど借りてた。
「親父、入るよ」
親父はソファーに寄りかかりながら音楽雑誌を読んでる。まったく音楽のことしか考えてない。
「なんだよ、北雄」
親父は45歳。気持ちだけでなく、見た目も若い。
30代中頃で通るだろう。
若い
お袋は39歳。
この二人気持ちは20代と言えよう。
徹夜で家飲みしてる。
「マイルスのCD 返すよ。なんかメロウなロックない?」
親父は右上に目を寄せ「メロウなロックねえ……Coldplay のファーストとか、マイケルマクドナルドの「思慕」あとランディ・ニューマンの「LITTLE CRIMINAL 」辺りかな?」
「分かったその3枚貸して」
「すぐに出てこんぞ」
「急がないから探しといてよ」
「OK」
台所に行くとお袋が朝っぱらからビールを煽ってる。
「いい加減酒控えろよ、糖尿病になるぞ」
お袋は出来上がりつつあるみたいで、目が泳いでる。
「うるさいわね、不良少年。あんたは勉強するのが仕事でしょ、あたしは働いてあんたを食わしてるの。酒くらい自由に飲ませてよ」
お袋は見た目まあまあイケてるんだが、酒が入るとおばさんぽくなってしまう。
酒さえ飲まなきゃいい女なのにもったいない。
まあお水の仕事だから酒は途切れようがないか。
さて喫茶店でも行くか。
神奈子の肌に温もりが恋しいな。
2021(R3)5/25(火)
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