第4話チェイサー

仁科望美子にしなのぞみこは高1の時の同級生。


実は彼女の裸を見たことがある。


お風呂ランドでバイトしてる悪友“床上丈太郎とこうえじょうたろう”がそのお風呂ランドのスポットに招待してくれた。もちろん入場料は払ったけど。


仁科のバストは見事であった。


16歳でこれだけの豊乳を誇ってる子もいないだろう。


床上とはその夜2、3時間延々と品評会だった。


女の裸ほど飽きないものもない。



17歳になった仁科の発育は見た目には進んでると言える。


ただ仁科望美子は精神的に安定していない子であった。


なんでも向精神薬飲んでるとう噂もあるくらい。


校門に寄りかかる彼女は不敵に微笑んでる。


ルックスは並だが、どうしても男の視線は膨らみに向いてしまう。


やべー、この女なんか企んでやがる。


俺はバックして一目散に駆け出した。


仁科は「待てー」と叫びながら追いかけてくる。


こいつターミネーター2の液体人間並みに速い。


恐怖だ。


道を曲がると平屋と平屋の間に隙間がある。そこの潜り込んで、ダンボールを被る。


仁科は地団駄を踏んでいるようだ。


5分ほどじっとしていた。どうやら撒けたようだ。


神奈子かなこに電話する。


「おい、仁科は何企んでるんだ?」


「知らないわよ、あんな淫売女」


「あいつパパ活とかしてるのか?」


神奈子は面倒臭そうに「バリバリでしょう。金さえ払えば寝まくってるみたいよ」


「はあ」


ため息しか出ない。


「もし、俺があいつに犯されたらどうする?」


神奈子は鼻を鳴らし「勝手にしてよ、興味ない、切るわよ」


「ちょっとま……」


切りやがった。女は感情の生き物だねえ。


仁科と寝る……悪くないじゃないか……。


なんで俺は逃げ回ってるんだろう。チャンス到来じゃないか。


道に出た。


雲行きが怪しい。雨が降りそうだ。


駅前に出るとスタバのカフェテリアに仁科がいた。


スマホを見ながら渋い表情。


楽園書店で雑誌を何冊か立ち読みする。


SPAが女の口説き方講座特集だった。


あまり役に立ちそうなことは書いてない。


闇に光る目。


やはりそう、仁科が俺を見つけた。


一目散に裏の出口に逃げる?逃げなくていいのか、しかしやはり逃げる。


2021(R3)5/25(火)

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