第192話 甘えん坊晴ちゃん×にゃんこの日
二月二十二日。私達の恒例になりつつある猫の日がやってきました。
毎年にゃんこになる私達ですが、今年は──
「……雫、離れちゃイヤ」
不定期に訪れる“甘えん坊晴ちゃんの日”と重なってしまったみたいです。
いつも何時でも可愛い晴さんですが、この甘えん坊さんの日は兎に角可愛さの限界を突破する程可愛いんです。
可愛い×可愛い=どうなってしまうのでしょうか……
「雫……ぎゅーして」
ベッドで仰向けになり両手を広げる晴さん。足先をパタパタとする姿も堪りません。
猫耳カチューシャをお互いにつけて、猫まっしぐら。
「ふふっ。可愛いにゃんこちゃん、何をして欲しいですか?」
「……全部」
可愛過ぎます……
こんなに可愛いにゃんこが私の恋人だなんて……幸せを通り越してしまい、思わず強く噛んでしまう。これじゃまるで……
「……もっと噛んで」
晴さんの言葉を借りるなら“プッツン”してしまいそう。
「晴さん……今日私は猫でなく虎になってしまいそうです。た、食べちゃいますよ? がおー」
「うん。全部……食べて?」
その直後プッツンしてしまい、虎となった私はあなたを余すこと無く食べ尽くした。
「美味しかった……?」なんて、惚気けた顔であなたは呟いてそのまま眠りについた。
甘くて柔らかくて、口の中で蕩けてしまう程に……ふふっ、美味しかったですよ?
◇ ◇ ◇ ◇
「あれ? 今日は牙を剥かないのかにゃ?」
「あ、あれはですね、ね、年に一度と言いますかその……」
「ふふっ。プッツンしちゃった?」
「……はい。プッツンしちゃいました」
鼻先を擦り合わせ、丸くなりながら抱き合う。
にゃんこの日は年に一度だけど……あなたも私も、日がな一日一年中……猫の様に、のんびりと。
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