第38話 なりきりショート・先輩後輩JC編
日向さんのご実家で彩さんと勉強会。
帰り際、日向さんのお部屋から沢山の写真帳を持って帰ってきました。
「ふぇぇ……可愛いですね……これは中学生の時ですか?」
「うん、映画の初主演をした年かな。若いよね」
可愛い。
凄く可愛い。
……語彙力が低下する程可愛い。
この時の日向さんに会いたいな……
「今日さ、中学の制服持ってきたんだけど……見たい?」
「みっ、見たいでふ!!」
思わず噛んでしまったけど、それどころではないくらい見たい。
「ふふっ、じゃあこれ雫の分ね」
「ふぇ?」
◇ ◇ ◇
「うん、やっぱり似合ってる。可愛いよ、雫」
「ど、どうして私も!? 何故2着もあるんですか!?」
「彩のやつを拝借してきたの。可愛いなぁ……」
恥ずかしいよ……
でも日向さんは喜んでくれてるし……
もし、同じ学校に通ってたらこんな感じだったのかな。
「ねぇ、せっかくだから中学生に戻ってみよっか」
「ふぇ?」
「私が後輩で雫が先輩ね。ちゃんとタメ口使うんだよ?」
という訳で、中学生になりきってみます。
……先輩?
◇ ◇ ◇
「あーまーやーさん♪」
「可愛い……えー……可愛い…………」
「もー、嬉しいけど雨谷さんは先輩ですよ?」
そっか、先輩先輩……
先輩ってどんな感じなのかな?
取り敢えず敬語は無しだよね……
「は……は………」
「ほら、頑張って下さい」
「…………はる……ちゃん……」
「…………」
「は、はるちゃん?」
「ごめんなさい、可愛すぎて堪えてました…………雨谷さんは好きな人とかいるんですか?」
わー、日向さんが持ってる恋愛漫画みたいな展開……
あのお話だと両想いなんだよね。
と言う事は……
「……うん、いるよ?」
「そっかぁ……いいなぁ、雨谷さんに好かれてる人は」
正解は分からないけど、もし私達が同じ学校で……先輩と後輩だったら。
もし私が、今よりも少しだけ前向きな性格だったら……
頭を撫でて、おでこにキスをする。
「ふふっ、はるちゃんだよ?」
「…………」
「はるちゃん? きゃっ!!?」
息を荒らげた日向さんは、私を押し倒しておでこ同士をつけている。
「雨谷さん……あなたの事をもっと深く知りたい」
「ふ、不純同性交遊だよ? こういう事はもっと大人になってから……」
「じゃあ……一緒に大人に成りましょう── 」
お互い癖になりました。
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