第2話 分かりたくもないこと

急に天国と地獄の入り口だと言われても何を言っているのかわからず混乱していた。

その言葉を聞いた瞬間に俺は思った。

「それじゃぁ天国と地獄のどちらかに俺が行くということか?」

それを聞いてナナシが

「はい、そのどちらかの世界にあなた様は行くことになっています。」

「なら、俺はどっちの世界に行くんだ?」

俺はその答えを聞きたくはなかった。

俺がいた世界ではろくな事はしてないし、いい事をした記憶すらない。

でも俺は天国に行きたかった

地獄にだけは行きたくない。

地獄は俺にとっても他人にとっても怖いものだから。

そう思っていたら、そんなことお構い無しみたいな顔でナナシが言ってきた。

「あなた様は……地獄行きです…。」

やっぱり思った通り死んだら地獄行きだと最初から分かっていた。でもあまり悲しく感じなかった。

なぜなら自分でも地獄行きだと分かっていたからだ。

それでも少しだけ悲しく、自分が哀れだと思ってしまう。

あと俺には一つだけ聞きたかったことがあった。なぜそれを聞きたかったのか分からないが何故だか聞いてみたかった。なので聞いてみることにした。

「そうだよな…でもどうやって俺を地獄行きだと決めたんだ?」

「あまりいいたくはないのですが、誰にも言わないのなら教えてあげます。」

「教えてくれ」

「それはですねエンマ様にあなた様の情報を言ってその行いが良いか、悪いかで判断しております。」

「エンマってあのエンマか?」

「はい、人間界で言うエンマ様です。」

マジかよ!

「はい、文句があるのならエンマ様に行ってきてくださいね。」

それはいくら俺でも言えない。だってエンマってくそ怖いじゃんか。


地獄への入口


「それでは今からあなた様はこちらの左側に出てくる地獄行きの扉に入ってもらいます。」

「地獄行きの扉? うゎびっくりした」

「すいません、こちらの扉は急に来るので驚かせてしまいました。」

「いえ、こちらこそ」

「この扉に入ったら、案内人がいると思いますので、あともう1つあなた様以外にも他人がいると思いますので、話す時は注意してくださいね。」

ナナシさんがわざわざ忠告してくれたのだから他人には気をつけて、案内人の言うことはちゃんと聞こう。

「それでは、お気を付けて行ってらっしゃい。」

「ナナシさんありがとうございました!」

「こちらこそ」

「それではまたいつか、良い地獄を」

「いい地獄ってw」

地獄に行くのに少し楽しみな自分がいておかしな感じがした。

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