第379話 2015年8月 24
「うん……
うん……
うん……
うん……
うん……
うん、
私、あの日、けんたろーが防波堤で……
海で……
水族館で……
優しくしてくれていた時からずっと、ずっと大好きだった。最初はお父さんが、また、現れたのかなって思っていた……
でも、やっぱり、それは、けんたろーで、優しいけど、決してお父さんみたいな優しさじゃないけど、優しくて……
それで、あたし、ずっと、ずっと大好きだった。
絶対、私、この人と家族になるって子供の時から、今でも子供かもしれないけど、小学校の時から思っていた。私にしてみれば、遅いよ!けんたろーって感じだけど……」
大きな薄茶色の瞳からポロポロと大粒の涙を流して、ときおり手で拭きながら、俺を見ている。今まで、はっきりとリリィさんに俺は意思を示さな過ぎたから、ずっと苦しめてしまっていたんだね。
泣きながら笑顔になって来たリリィさんは、
「嬉しいよ! けんたろー、家族になろう!
私は、あなたに幸せしか運ばない。あなたの前から消えたりしない。
安心して!
望んで!
一緒に幸せになろう!!
私だって、けんたろー に貰ったんだよ。パパが死んじゃって、なんにもなくなった心を けんたろー は幸せな気持ちにしてくれたんだよ。
次は、私の番だよ。けんたろー、私があなたを幸せにしてあげる!!
ありがとう! ずっと待たせたね!
これからはずっと一緒だよ!!」
リリィさんは隣で防波堤に座る俺の上にまたがって抱き着いて、満面の笑顔で俺を見つめている。
「私、言ってたよね?
大好き!って、
それを信じてなかった?
けんたろー!
けんたろーは臆病すぎるよ!
ここに私が来てる時点で、あなたの事、大好きって事じゃない!
もっと自信持った方が良いよ!
分からないなら、言葉にしようか?
けんたろー!!!!
大好き!!
ずっと、ずっと大好きだった!
ずっとずっとずっとこれからも大好き!
ずっとずっとこれからも!!
愛してる!!!!!
分かったかな!!
私の大好きな、元大人同級生、佐藤健太郎君!」
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