第215話 二人の静かな時間1
「ねえ、この東京の夜景の中に、どれほどの人がいて、どれほどの人が満足する人生を送っているんだろうね?」
レイアさんが白ワインのボトルを半分以上開けた、俺が一人、コースのメインの子羊のなんちゃらが出てきた、このレストランに着いて、1時間以経過した頃に、隅田川の先に見える高速を走る小さな無数のテールランプを目で追いながら、ガラスに映る俺越しに、そんな難しい問いを投げてきた。
「どうなんでしょうね。俺にはここがどんなところなのか分からないけど……
俺の話……だったら、そうだな……
俺は満足……
してますよ」
グラスを持って夜景をぼんやり見ていたレイアさんは、少し、目を開いて俺に視線を戻した。驚いているのか……
まあ、そうだろうな。
「俺は、両親がいなくて、死にそうになりながら、店長に拾われて、今こうして、東京でレイアさんとこんな素晴らしいところで一緒にご飯を食べて……
だから、満足してますよ。
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