第214話 デート3

「か、カッコイイ……」


「そうでしょう?


彼はこの店のメートルよ。

接客の責任者ね。


一流ホテルの階上の看板レストランの接客責任者。


一流って事よね。


健太郎、若いうちに一流に触れなさい。


一流って全てに意味があるのよ。絵画もいいし、車だっていいし、こんな風にサービスだってそうよ。そうすると、自分のいる位置が何処なのかが見えてくるから、見えたら、後はそこを、自分の一流を目指す。その繰り返しだね。


私は残念ながら、つまずいちゃったけど。


でも、まだまだ、これで終われないの。

私には新しい守る世界が出来たから……」


夜景を見ながら、メニューを見て、遠くを見て……俺の聞きたかった事を先に触れて来た。


「レイアさん……」


「ケンちゃん、まだ、夜は始まったばっかだよ。

そんなにガッツかないよ」


俺の表情を読んだのだろう。聞きたい事は後回しだとでも言いたいのか、いたずらな笑顔をレイアさんは見せていた。

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