第18話 解説 「の」と「が」が多すぎる問題
生理現象やろうと思ってたんですけど、改めて書こうと思うと、一人称のときと大差ないな、ということに気づいたのでちょっとやめますね。
そして人称問題にぼちぼち飽きてきちゃった。笑
今のところまででわりと大きな問題は解決するんじゃないかな、と思いますし。
なので、そろそろ話題を変えてわたしの苦手な助詞問題をやろうかと思います。
あ、そう、そうよ。二人称が気になる方がおられるかと思います。
思いますが、あれわたしも書いてみたけどさ、ちょっと上手く説明できる気がしないんですよ。10話で書いたことが精一杯です。
もしわたしの書いた二人称でよければご案内するので、例文がてら気になる方はコメントもらえたらと思います。
わざわざ大々的に宣伝するようなもんでもないし。笑
さ、助詞やろう〜。
助詞ってあれですよ、「〜の」とか、「〜が」とか、「〜を」「〜に」「〜と」って、言葉と言葉をくっつけるためのひらがなです。ほかにも「〜のに」とかもありますね。
これが、一文のなかに3こ以上同じやつがあると指摘しなきゃなんですが、わたしは文法が苦手なのでよく取りこぼします。笑
なーんでこれが重なると良くないの?
それはね! 「意味が読み取りづらくなる」からだよ!
なんで読み取りづらくなるのかっていったら、「情報量過多」になるからです。
えっとね、一文のなかに立て続けに沢山の情報が並べられると、書いてる人はちゃんと分かるけど、読んでる人には難しくなっちゃうんですよね。
「読みやすい」の天敵なんです。まぁわたしは添削してても取りこぼしますが! 笑
例えばこんな感じですよ。
✮✮✮
・こちらにも高濃度酸素が送り込まれ、やがて首元が開いてスーツ全体が高度医療が可能な生命維持ボックスに変化した。
✮✮✮
ちなみにこちらの一文は、わたしが過去に添削させてもらったやつです。
Mさんのやつなんだけど、今カクヨムお休み中で連絡が取れないっぽいので、勝手にパクってきました。笑
いいんだ、あの人は「いいよ」って言ってくれるから。
カクヨムに復帰されたら謝っとくから大丈夫!
ついでだから、わたしのそのときの指摘コメントも持ってきましたよ。
・ここ、「が」が4こあるんですけど、分かりますかね?
「が」が続くと、意味を取りづらくなって、「なんて? なんて?」ってなります。
だからここは、文章中の中身によって別の文に分けましょう!
①高濃度酸素が送り込まれ
②首元が開いてスーツが変形
③生命維持ボックスの仕様
これが全部一文にはいってる
こう指摘すると、Mさんはこういうふうに直されました。
✮✮✮
・しゅううっという音がしてタヒの宇宙スーツの首元がふくらみ、首から下が密閉状態になった。
スーツの内部はたちまち温かい空気で満たされ、高濃度の酸素がスーツから送り込まれる。
続いて首から上も密閉用バイザーがおおう。こちらにも高濃度酸素が送り込まれ、同時に首元が開いた。
これでスーツ全体が、高度医療可能な生命維持ボックスに変化したことになる。
✮✮✮
こっちのほうが分かりやすくないですか?
これだけの情報が、一文のなかに詰め込まれていたんですね〜。
そらぁついつい二度読みしてしまうってもんです。
一文に全部まとめて入れる必要はないので、意味とか情報の切れ目で文章を分けるようにするといいですよ〜!
さて、ひとつじゃイマイチ分かりにくいかと思ったので、お知り合いの方々にお声がけをさせてもらってきましたよ!
筆致企画『初夏色ブルーノート』に参加されてる作品から、いくつか例文をご紹介しますね。
快くお貸しくださった皆さんありがとうございます〜♡
んで、まずこちらが、Yさんのやつですね!
✮✮✮
・ところどころに先端だけが砂から突き出ている高層ビルの残骸だけが、かつてこの場所があまたの人々の行きかう都心だった名残だ。
✮✮✮
「が」が3こ、「の」が3こはいってます。
ご本人も、しっくりこなくて何回か書き直したと言っておられたので、遠慮なく直してみますよ。笑
まずは分解してみましょ〜!
・「ところどころに」ある もしくは 見える
・「先端だけが」「突き出ている」
・「砂から」「突き出ている」
・「突き出ている」「高層ビルの残骸」
・「かつて」「だった」
・「この場所が」「都心だった」
・「あまたの人々の行きかう」「都心だった」
・「都心だった」「名残だ」
面倒くさいから魔法を使うよ! そお〜れ!
✮✮✮
・ところどころに高層ビルの残骸が見える。
先端部分だけが砂から突き出ているのだ。
それはかつてこの場所が、あまたの人々の行きかう都心だった名残だ。
✮✮✮
分かりやすいように改行しました。
ど、どうですか……?
読点打つの嫌いっておっしゃってたし、わたしならこうやってするんだけど、もしお気に召さなかったらごめんなさーい!
さーて次つぎぃ。笑
お次はAさんのやつですね〜。
✮✮✮
・通りの隅に置かれた腰くらいの高さの青い看板に、白地で「喫茶&Barブルーノート」と書いてある。
✮✮✮
これは、「の」だけが3こあるやつです。
これも分解してみるよ!
・「通りの隅に置かれた」「看板」
・「腰くらいの高さの」「看板」
・「青い」「看板」
・「白地で」「書いてある」
・「「喫茶&Barブルーノート」と」「書いてある」
これも魔法だーい! そーい!
✮✮✮
・通りの隅に青い看板が置かれている。
腰くらいの高さがあって、白地で「喫茶&Barブルーノート」と書いてある。
✮✮✮
ど、どどどどどどどうでしょうか……!
「看板」にかかる情報が多かったので、ゆったりした空気を表すためにも分割してみました。
これも納得いかなければ苦情は受け付けまーす!
そんでね!
お次はちょっと毛色が違いますよ。
わたしはうっかりこれも一緒くたにしてしまうところでした。危ねえ危ねえ。
宣伝してと言われたのでしっかり宣伝しますね。笑
これはえーきちさんのやつです。
あ、ちなみにこちら全部『初夏色ブルーノート』なので、同タイトルで調べたらすべて出てきます。
✮✮✮
・私は軽井沢銀座へ入る前の、まだ店もまばらな街並みの、一軒の小さな喫茶店の軒下へ息も絶え絶え飛び込んだ。
✮✮✮
どこが違うかといえば、こちらは、わざと「の」を重ねているんだそうです。
わたしは数話前で、……何話だ? ちょっと忘れたけど、「そんなつもりじゃないのに」をなくしたらいいのよ〜って言ったんですが覚えておられますか。
これがまさに、「そんなつもり」でやってるやつなんですね〜!
いただいたコメントを一部抜粋しますよ、なんたってわたしの話より断然分かりやすいからね!
・たとえばこれだと『まだ店もまばらな街並みの、』ってなくてもいいんですよね。しかしわざと『の』の重複で文章のリズムを取る場合、『、』でしっかりと区切ってやると読みづらくなかったりしますね。『の』の重複は、結局どこに言葉がかかってくるのか分からなくなるので、あえての場合、読点で区切ってやることが大切だと思います。
異例だと思いますし、それで読みづらくなっていたら本末転倒ですけど。
全部説明してもらったので、まんま載せました。笑
そうなんですよ、「意味が読み取りづらくなる」のを避けるために、読点の位置で意味を区切ってるんですね〜。なかなかできないことだと思います。
「直してもいいよ」と優しいお言葉もいただいたんですけど、ちょっとこのページの文字数が3000字を超えてしまったので断念します。ごめーんえーきちさーん!
わたしはこの文を初めて読んだときに、「ここだけちょっと重いな」と思ったんですが、言われて改めて読み直すと、なるほどストーリーの空気をつくるのに一役買っているかもしれない。すげぇ〜。
筆致企画って面白いですよ。
ちなみにYさんのやつはぶっとんでるSFだし、Aさんのやつはしっとりした恋愛ものだし、えーきちさんのやつはハッ!とさせられる人間性を描いています。
ヒントの一文をもとに探して見られるのも楽しいと思いますよ!
最後にオマケですが、Yさんが枝豆くんにロボット語しゃべってほしいって言ってたので、良さげなところを探してきました。
✮✮✮
・「諸回路オールブルー。起動に、成功、シマした、デス。ワタシに名前を、付けて、クダサイ」
「君は、……エダマメクンだ。そしてこれが君の主人、おからちゃんだ。君はこれから彼女を何があっても護らないといけない」
「ワタシはエダマメクン。ミッションを、認識シマシタ。ご主人サマ、早急にセーフティエリアに退避が必要デス。スグに次元転移しマス」
✮✮✮
いやぁ、これ絶対に名前戻したほうがいいと思うわ。笑
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