第14話 人称と視点編 生理現象を書くのです!
よく見かけますよね、これ。
・わたしは赤面した。
・わたしは顔を赤くした。
・わたしは顔が赤くなった。
鏡もないのになぜ己の顔色が分かるというのか。笑
別に顔が赤くなっただけじゃなくてですね、蒼白になったでも一緒ですし、乱れた髪の毛でも一緒なんですよ。
そんなわけで今回は、一人称の主人公が、自分の様子を表現する方法をやっていきましょう! これは三人称で使ってもいいですよ!
まず例文ぽーい。
✲✲✲
①
だって、わたし駄目なのよ。コーンポタージュ先輩を見かけると、すぐに顔が赤くなっちゃって、とてもじゃないけど目なんて合わせられないの!
②
ぼくは具合を悪くして、いつの間にか顔が赤くなっていた。ばたーんと倒れてしまって、周りから
「大丈夫か枝豆!」
と騒ぐ声が聞こえる。
✲✲✲
今回は2こ、用意してみました。
①が「恥ずかしくて赤くなる」バージョン
②が「熱が出て赤くなる」バージョン
です。
10話のところで大前提を並べましたが、「一人称は主人公自身のことが書けない」ってあったのを覚えておられるでしょうか。
書けないっつったけど、書けます。笑
正確にいえば、書けるものと書けないものがあります、です。
書けないもの:自分の名前、年齢、体格、などなど
書けるもの :自分が考えてること、感じてること、見てるもの
自分に対する客観的な情報は書けません。でも、主観的な情報は書けます。
つまり、表現の仕方を工夫すれば、自分の「状態」は書けるんですよ。書けないものは、周りにいる人に喋ってもらいましょうね。
下を向けば服装は書けますよね。ちゃんと下を向けば、もしくは鏡を見ればね。膝の辺りに汚れをつけてるのも見えますから、それも書けます。白い服にラーメンこぼしても書けます。
スネに青あざ作っても見えますが、でも背中や尻に青あざできたら見えませんから、それは書けません。鏡がないときには、さてどうするか。
簡単ですよ、こうすればよいのです。
「尻がいてぇ」
これで解決です! これが生理現象の描写です。そんなに難しいことではないですよね。
青あざっていうのは目で見た情報ですけど、いつでも見えてるものだけじゃなくていいんです。一人称では目だけに頼らずに、五感をフルに使って書くといいですよ!
ちなみに、わたしはえろいものを書くのが大好きなんですが、えろシーンにはこの五感の描写をたっぷり活用するのをオススメします。急にえろくなります。笑
あ、運営さんに怒られないようにお気をつけくださいね。わたしは時々怒られてます。笑
そんで、話は戻りますが、一人称でうっかりやりがちなのがこの「わたしは顔が赤くなる」です。
これ、そのまんま書いちゃうと、神様視点なんですよ。
神様視点は、その作品全部が神様視点なら問題ないんですけど、一人称のなかに神様入ってくるのはルール違反です。
主人公にいきなり神様が憑依した! とかならアリかもしれませんが、いつでもそんな都合よく神様が現れることはないですもんね。さ、順番にやっていきましょ。これは実際にやってみたほうが早いですよね。
①
だって、わたし駄目なのよ。コーンポタージュ先輩を見かけると、すぐに顔が赤くなっちゃって、とてもじゃないけど目なんて合わせられないの!
直すよ!
✲✲✲
だって、わたし駄目なのよ。コーンポタージュ先輩を見かけると、すぐにほっぺが熱くなっちゃって、耳まで熱くなるから、これは絶対に真っ赤になってると思うの! だから、恥ずかしすぎてとてもじゃないけど目なんて合わせられないの!
✲✲✲
なんかクドくなったな、と感じる人もいるかと思います。
バッサリ言っちゃいますが、直す前の例文は、「横着の産物」なんですよ。
面倒くさがって描写を省いた結果が、神様助けてぇ! になっちゃって、それが視点のブレに繋がってるのです。
こっちも一緒だよ!
②
ぼくは具合を悪くして、いつの間にか顔が赤くなっていた。ばたーんと倒れてしまって、周りから
「大丈夫か枝豆!」
と騒ぐ声が聞こえる。
直すよ〜!
✲✲✲
ぼくはなんだか頭が重くて、ぼんやりしてきた。視界がぐらぐらするし、体が熱い。力が抜けてきて、自分の体を支えられなくなったと思ったら、ぼくはその場に倒れてしまった。
「大丈夫か枝豆!」
周りの声が、遠くぼんやり聞こえる。
✲✲✲
具合が悪いのは、そのまんま具合が悪いって書いてもいいんですが、でも症状を具体的に書いたほうが、ただ「具合が悪い」って書くよりも具合が悪そうです。
具合が悪いときに、「ぼく顔が赤いな」とか考えてる余裕はありませんよね。「あちぃ、しんどい」だけだと思いますし、それだけで充分です。
神様は思ったほど助けてはくれないので、やっぱり自分の感覚を信じるべきですね!
さーて次は、どうしようかな、そろそろ三人称にいこうかな!
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