第10話 人称と視点編 まずは大前提から

 細かく細かくやっていきましょうね!

 小説を書く上で、誰もがまず初めに頭を抱えるところ、それが人称ですね。

 いくつかの種類があるのは、皆さんもうご存知かと思うんですが、改めてひとつひとつ見ていきましょう! 並べたほうが分かりやすいと思うので、それぞれの特徴をまず、このページにまとめますよ!


 人称といわれて浮かぶものって、いくつかありますね。

 一人称、三人称、神様視点、二人称。

 ざっとここらへんですかね。順番に解説していきますよ〜。




『一人称』

 一番書きやすいといわれているやつですね。

 主人公が見ているもの、触っているもの、考えていることだけで書いていきます。

 「ぼくは」「わたしは」「おれが」「あたしの」「朕は」「わっちが」なんかで書き出すやつです。


メリット:

・書いてる本人の目と、主人公の目を同じにできるので、自分に見えてるまんまのものを書けばいい。

 ちなみにこれを、「視点」といいます。

 つまり、「主人公に視点がある」ってことね。


デメリット:

・主人公が分かってることしか書けない。

 例えば、主人公の目の前にいる人のきもちは書けません。そりゃそうだ、誰だって他人のきもちなんて分かるはずがないのです。

 主人公がいないところで起きている出来事なんかも書けません。そりゃそうです。そんなもんが分かるのはエスパーくらいのもんです。主人公がエスパーじゃない限りは、自分が見ている、感じているものだけしか書けないのです。

・主人公自身のことが書けない。

 自分の顔って、鏡を見ないと分かりませんよね。自己紹介でもしない限り、自分が何歳で、どこに住んでて、とかわざわざ言わないです。危ない人でしょ〜、そんなん。


対策:

・見えているものと、主人公以外の人を使って想像させる。

・生理現象を書く。

 これは次ページから詳しく説明します。今は放置!


補足:

 最初から最後まで一貫して、主人公の目から見ているものを、「一人称一元視点」といいます。

 反対に、例えば、一章は主人公の目で見てるけど、二章は主人公の彼女が見てる、なんなら三章は主人公のライバルの目で見てる。なあんていうやつは、「一人称多元視点」といいます。

 これも注意が必要なので、次ページで説明しますね。ちょっと待っててください。


 次!!


『三人称』

 主人公と、目の前にいる人たちの他に、視点を持ってる人がいる状態です。ややこしいですね。

 でもここは大切なところなので、しっかり分かるようになっててください。これは三人称のページで説明します。

 「彼は」「彼女が」「枝豆くんが」「おからちゃんは」なんかで書き出すやつです。


メリット:

・主人公の知らないことが書ける。

 目を持ってるのが第三者なので、第三者が伸びあがってきょろきょろすれば、その範囲のものは見えます。


デメリット:

・「感情」が直接書けない。

 第三者もエスパーではないので、人のこころまでは見えません。見えないものはやはり書けぬのです。

・視点のブレを起こしやすい。

 これはちょっと説明が面倒なので、やはり三人称のページで詳しく説明します。待っててー。


対策:

・見えているものを使って想像させる。

・生理現象を書く

 これは一人称と同じですね。でも、一人称とは書き方が違うので、これも三人称のページで詳しく説明しますね。


補足:

・「三人称一元視点」っていうのは、目を持ってる第三者が、主人公や、章が変わって他の誰か、ひとりだけを追っかけてる状態です。

 あっちこっちに浮気をしてはいけません。

・目を持ってる第三者が、エスパーなことがある。

 これが皆さんが怯える「神様視点」ってやつですね!


『神様視点』

 神様はすべてを見ておられます状態のことです。

 やったらいけないわけではありません。やっていいです。

 ただ、恐らくは95パーセントくらいの確率で失敗するので、よほど書き慣れた人以外は、やらないほうが身のためですよ。ってやつなんです。


メリット:

・全部見える。

 全部見えます。なんでも書けます。主人公の容姿だろうが、誰のこころの中だろうが、主人公のいないところで繰り広げられてる出来事だろうが、なーんでも書けます!


デメリット:

・書き分けが難しい。

・どれが誰の行動なのかが分かりにくい。

 分かりにくい。ただひたすらに分かりにくい。

・疲れるから読むのが嫌だと思われる。


 神様視点のことは説明しません!

 ひとつだけアドバイスできるとしたら、

「ここからここまでは、この人のこと」っていうのが明確になるようにやってください。

 チャレンジャー向けです。笑


 そしてチャレンジャー向けをもういっこ。


『二人称』

 分かりやすくいうと、「話し手と聞き手しかいない」やつです。

 主人公は、そこにはいません。

 物語は、フィルター一枚向こうの世界、話し手がめくったページのなか、画面の向こう、繋がらない空間のあちら側、なんかにあります。

 「きみは」「きみが」で書き始めるやつです。


メリット:

・一人称でも三人称でもできない、独特の世界観をつくることができます。


デメリット:

・書いてる本人が混乱する。笑

・読んだ人も同じように混乱する。笑


 まあ、試してみたい人はどうぞ、なやつです。

 もうこんなん笑うしかないわね。




 次ページで一人称のことを詳しく書きますよ!

 一通り説明してから、例文を直していきましょうね!

 一人称が終わったら三人称にいきましょう!

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