第32話
リーナリアの敵…… はいないのだろうか?
今のリーナリアは俺よりチートで自由な気がする。
それは俺の女性関係に対して大きく言える。
異世界物では転生者を取り合うもの…… いくら他の異世界転生者がハーレムを毀誉(きよ)して冷笑的(シニカル)な態度を示しても異世界では
だから!女神様に顔をよくしてもらったし!
リーナリアの敵はおらんかなぁ……
俺とイチャイチャするお姉さんおらんかぁ……
小学生の見た目はやっぱりね…… 年齢が地球基準でも成人していても躊躇なくいけない。
絶対に俺はハーレムを作る機会を逃している。拳を握りしめて俺は断言できるね。
ホラ!俺って顔!金!脚長!全部そろってる!悪いのは性格だけ!うるさいわ!
パ──────────ン!パパパパッ!!
「…… おー綺麗だなぁ」
夜の雪景色に花火…… のような爆発が起こる。
全て聖なる光の属性による所でございます。
今現在スタンピードの第3
もう、歩くのやら飛ぶのやらのアンデッド達がドンドンと町に侵略してくるんですよ。最初は町中が大パニック!
でも次から次へと[至聖者の遺骨]の聖なる光が人の住むこの町の全体を護り魔物を爆砕し灰にしていく……
そう…… この花火は聖なる遺骨が町を聖域として認め、ドーム状の半透明で虹色の結界で包みアンデッドの侵入を遮断した時に起こる爆発です。
箱から取り出し、町の教会に飾るだけで人を救う虹の光の結界が町を覆う…… 反則ですね。さすがです。
マジで神様の力はすごいです。異世界でも人を護ってくれています。
…… 俺は何もやる事がないんだよね。不測の事態に備えて花火会場にいるんだけど…… 結構飽きてきた。地球で色々なエンタメを経験するとね長々と花火だけされてもなぁ…… という所なのですよ。
ただただ、単調に美しく散っていく魔物を鑑賞しているだけだから思考はエロい方へと……
罰当たりな!神様の奇跡が起こってんねんで!と地球の教会の人間なら怒るだろうね。
「ヒロ!あれ!あれ!」
リーナリアが楽しそうに焼き鳥を食べながら飛んでくる大型の魔物を指さす。
もうね、みんな安定しちゃってるから。
出店とか出ちゃってるから!
「おー…… ドラゴンだぁ〜」
「む、ヒロキあれはドラゴンが死霊化したドラゴンゾンビであるな」
「──はい、さん!に!いち!!」
もうね!スノーエンドの町のみんな大型のアンデッド来る時はカウントダウンしちゃってるから!
バッサバッサと飛んでくる巨大な腐り出した竜が!
ぱ──────────ん!
ドラゴンゾンビはそれはもう綺麗な大玉花火でしたよ、ええ。
「きゃ───!」イチャイチャ
「わ────!」イチャイチャ
そこらでカップル誕生しちゃってますよ。なんだよこれ!
「ヒロ、綺麗だね」
「…… ああ、本当にな」
雪の中でドンドンと頭、翼、胴体と次々に消費されていく大輪の花火(ドラゴンゾンビ)を見ながら俺はポケーっと考える。
花火大会とかビール飲みながら無意識で見るもんだと俺は思っているのだ。あーキュウリと赤味噌を食べたい。
あとホント、ハーレムがつくりたい!
バカな男と思われてもいい!俺は女の子にチヤホヤされたい!
そうだ!花火と言えば出会い!お姉さんに出会っちゃうぞ!
そぅっと…… リーナリアから離れ、られない!
繋いだ手が岩のようだよ…… リーナリア…… 全くホールドが解けないよ。
仕方なく動けない俺は花火を見ているようで見ていない感じになり思考の中に入る。
そうそう昨夜、ストレージで思うところがあり寝ながら検索したんだよ。
花火もそうだけど俺はエンタメに飢えていたのだ。とりあえず検索ワードは【地球の書きもの】と試しで入力してみたら
[ルスティケロの東方見聞録の草稿]
[ベルニエの走り書き]
[太安麻呂の覚書]などなど…… [鑑定]さんで調べたら女神様がやらかした物がズラっと並ぶ。
地球から物を盗みすぎです女神様。
全く読む気にならないなぁとレオナルドダビンチの下描きメモを見たりして…… なんだろうなぁ…… 地球に返却したいよ。盗みや借りパクやらはダメとか、これ地球のオークションに出したら幾(いく)らになるんだろう?とか立ち位置めちゃくちゃに考えたりあーエロいことしたい。
はっ!思わず本音が出てしまった。この体、若いなぁ…… 今で中学生ぐらいだもんな思考がバカすぎて楽しい。ホルモンの関係かな……
『リーナリア、んべっ』
リーナリアに舌を出したら、恥ずかしそうに近づいてきて、ねっとりと俺の舌に自分の舌を絡ませながら咥え込んでビクつきながらも濃厚なキスをしてくれるとかしてしまうと俺もリーナリアも止まらないだろうなぁ。あ、妄想です。しませんよ?へへへ。
「あ!いた!」
聞き覚えのある声がするので、そちらを向くと町長さんの部下の男性兵士が走ってきていた。
「ん?ああ、町長さんがどうしましたか?」
あ、リーナリアいたら近づけない?怖いの?リーナリア離れて…… くれないねぇ……
え?マッチングの日にリーナリアに殴り飛ばされた人かな?…… リーナリア何したの?
「すみません兵士さん、その距離からでいいので話してくれませんかね?」
「ヒロさんに会いたい方が!町長の執務室に来ています!よろしくお願いします!一緒に来てくださいあなたが必要です!」
おおう…… テレビ番組の告白シーンみたいになっているな。
おい、町人ざわつくなや……
「ヒロ、」
「ん?どうしたの?リーナリア」
「なんか悪い予感がする…… 」
その時の兵士を見ながら呟くリーナリアの瞳は濁っていたように思う。
兵士に先導してもらいお馴染みになった町長の執務室に入ると町長と女の子が待っていた。リーナリア予知能力かな?
いや、俺を呼びに来た兵士のビビリようで何か感じたのかもしれない。マッチングの日に殺されかけたから女性の話はリーナリアの前でしたくないのかも?
「うひ!こんばんわ!」
しっぽをゆらゆらを揺らし、耳には人ではないモフモフな毛がついた、獣人の女の子…… テンションドキューンです!
「お!アンタがヒロさんかい?」
いやーハーフエルフは見たけど獣人さんは初めてだわ!しかも幼女じゃないし美人!へへへ!
テレテレと俺がしていると、腕にからまるリーナリアの指が食い込んで痛いこと痛いこと……
「リーナリア…… 痛い」
「うふふ、エロエロは許さない」
ぐるぐるとリーナリアの瞳が濁る。これホントにどうにかしないと生活できなくなるな……
「…… あんた、やめときな」
「!!」
苦痛に歪む俺の顔を見て獣人の女の子はリーナリアの手をグッと掴み…… 俺から離した。
離した…… だと?
「私の…… 力に対抗できるなんて…… 」
リーナリアもこれにはビックリ。
初めて、リーナリアの馬鹿力に対応できる可愛い女の子がきた!
これはじっくり話をして、親密にならねば!
俺は真剣に、獣人の女の子に話を聞こうと顔を引き締める。
「はじめまして、ヒロキと言います。えっと何か用があるとか?」
初めは大事!がっつくな俺!
「おう!このちっこいの力が強ぇえな!ははは!わたしの名前はアム!
アムちゃん、金髪キラキラです。あと声が大きい……
しかし、そうか虎か…… 耳が違う場所にあるからか顔の骨格がちょっと人間とは違うんだな。身長は俺より高い。
今もアムちゃんの手の中でバタつくリーナリアなんかは俺より身長が低いから尚のこと見た印象が母と子供みたいになっている。
あと、筋肉のつき方も少し違うのか…… すごく胸が大きいやった〜い!
「アムさん、もちろん力をお貸ししましょう!」
この時…… 俺はすごく笑顔だったはずだ。
見た目で判断したらダメだとベヒモスのベヒさんの時に思い知ったはずなのに……
リーナリアの馬鹿力を抑えることができる美人…… その意味を俺は全く考えていなかったのだ……
あと、リーナリア…… 嫉妬が凄くなりだして闇魔法を
使えそうになってない?
────────────────────
アムちゃんとリーナリア
────────────────────
カクヨムでは画像挿入出来ないみたいです。
↓はアムちゃんとリーナリアのセミヌード画像でした。
<i540992|25380>
服?デザインするのがしんどいのですよ。すみません。
バインバインな感じです。
アムちゃんはアムール虎の獣人
シベリア虎とも呼ばれるロシアに棲む虎です。
雪の中から虎とかマジ怖いです。
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