第13話
「おはようございます!ヒロさんロックさん!」
「
翌朝、俺と
追われる者・有名な者の2人だしー!
偽名だし!でヒロ・ロックコンビとしてロームン帝国で冒険者登録をした。(俺は
冒険者証を失くして〜の、偽名を使い〜のなのでギルドのデータは真っさらに上書きされたから初めからの再スタート。
まぁ、俺はね元々の所、年齢制限があったから
振り出しだよ!振り出し!ニューゲーム!何の後悔もないから大丈夫!戻り幅が最小限!
「えっと、ロックさんは今回の依頼で冒険者ランクはEになります…… あの、期待した目をしてますが、すみませんヒロさんは年齢的にランクアップはできません……Fランクのままです 」
「…… わかりましたよ…… なんだよ親父の方が先に進んじゃって。」
Fラン大学でもいいじゃない生き方よ?生き方。
「うむ、悪く思うなヒロ」
ちなみに、
その後、うだうだと愚痴を言ってから依頼者へ探し物の【ティアラ】を納品、盗賊のアジトの説明と捕縛しているという情報の伝達、盗賊が貯めていた金品の所持権の確定をするともうお昼過ぎになっていた。
金はたんまりとあるから権利を放棄して全て冒険者ギルドに投げ出してもいいんだけど、
「おとーさーん、おなか減ったよー」
「うむぅ……
「…… え?そうなの?」
「う…… む、そうなのだよ?」
ええぃ、もじもじすんな筋肉おじさん。
微妙な空気のなか場所をギルドから町中に移動して昼ごはんを食べる。これも…… 辛いなぁ……ヒーっどうやればスープをこんな激辛にできんだ?……
「ところでさ親父さん」
「うん、?」
「俺は天涯孤独で家族無しなんだけど、親父の家族の事とか何も知らないんだけど?」
「うむ、そうか…… 私も両親は死別しているが歳が離れた妹が
おおう、筋肉マンの妹とか…… 想像がつかんな……
「む?何か勘違いしているようだが私の妹は母に似て華奢で可愛いと有名だったぞ」
…… だった。ね、なんか訳ありっぽいし〜
「とりあえず、今はこれ以上は聞かないでおくよ。」
「うむ、」
その後やたら甘いデザートと飲み物でシメる。この世界ではよくある異世界ものみたいに極端に食の進化が遅い事はない。この辛いのも東京の西池袋とか巣鴨なんかで店を出したら満員は無理だろうけど客を呼べるんじゃなかろうか?
ただ…… まだカレーを
「さて、ヒロキまだ日は高いがどうする?」
「…… まぁ、焦ってもいい事ないしホテルで休もうぜ?」
辛いのが入ったからかチクチクと痛む胃を摩(さす)りながらホテルに向かうと、邪魔な大きな馬車が表玄関(エントランス)前を塞いでいた
邪魔だなぁ…… これで俺に用事があるならテンプレ…… あぁ、テンプレだわこれ……
地球の中世にあった
「華美な装飾だねぇ…… 」
「うむ、御者がこちらに気付いて来ているな…… ちなみにだがヒロキ、あんな馬車は持ってるか?」
んー?ああ、多分これかな?
脳内一覧でストレージのソートを使い馬車を並べる。
「えっと、あんな馬車はあるし、なんならもっと豪華な馬車もありそう…… 流石に馬は入ってないけど…… 」
「む、けど?」
「うん、
馬車から馬が要らなくなる。つまり
篦棒(べらぼう)な所持物に
「ヒロ様とロック様でらっしゃいますか?」
ピシリと老紳士と言った風の御者は俺たちに質問を投げる。
「いえ、おいどんはそんな人間ではありもうさんですばい」
そして俺は知らんぷりをしてその場を離れたのだった。
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「む、よかったのかヒロキ」
「ってかね、親父のせいだよ貴族にトラウマもったのは」
「む、、そうであるか」
まさか知らんぷりすると思わなかったのか
貴族とか気骨(きこつ)に辟易だぜ!
「それに、ぶっちゃけ親父に聞くけど…… 帯剣貴族だっけ?貴族に戻りたいの?」
「う、む、正直なところを言うと領地を持たない私は十分な金と住む場所があれば憂いはない。それに旅をする方が私の目的も叶うやもしれない」
目的ね。
元々は田舎の一般市民だった事もあり政治に対しての強い理想論や人に敬(うやま)われる事に欲を持たない。
金…… なんだよなぁ…… お小遣いというか冒険者家業で稼いだ金は全部
まぁ、生活費の全ては
───── 女遊びしているのかな?連れて行ってくれないかな?
「連れてってよー!」
「う、?何のことだヒロキ?」
いかんいかん、妄想が凄くなってしまった。
とりあえず時間を潰そうと、ブラブラと歩き他の国の人間が開いたと思われる
チップを多めに置いておいたから次回は胡瓜(きゅうり)サンドイッチの持ち帰りを頼んでみよう。
「む、実に心地よい時間だったな」
「ああ、そうだね」
夕暮れを見ながら
まぁ、フラグは結局のところ回収したんですけどね。
ホテルのロビーにはまだ、貴族の御者さんと華美な服を着た老婦人がいたわけです。貴族さんたらホテルの馬繋場に馬車を停めていたみたいで、もういないと思って警戒薄くスイッとホテルに入っちゃった!
ホンマ長時間待ちまんなー!
しつこいでっせー!
関西弁を心にヒクヒクと頬を引き攣らせ挨拶をする。
「お帰りなさいヒロ様、ロック様」
「…… 遅くなりました」
御者さん怖えぇよ。目が笑っていないよごめんなさい。
斯(か)くして、俺たちの部屋に有無を言わさず来訪した貴族さんは依頼を伝える事に成功するのだった。
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