第9曲 あんまり見ないで 大丈夫

タイトル:「泣いてない」 初音ミク Ayase

ジャンル:ボカロ

URL:【 https://www.youtube.com/watch?v=_lmwvFgV_04 】

曲構成:In-A-B-S/A/B-S-Ou

Inはイントロ ABはAメロBメロ Sはサビ /は曲の区切り目 Ouはアウトロ



 二個目のAyaseさんの曲です。9曲目にして被りました。「夜撫でるメノウ」と同じく、ボカロ曲です。個人的には、幾田りらさんにカバーして欲しいです。


 主題としては春の恋愛曲になるでしょうか。同時に別れの曲です。

 歌は初音ミクです。ボカロ曲の筆頭「千本桜」や「Tell Your World」とは違い、脆い、呟くような声音です。どの声を使用されているのかわかりませんが、Darkの声なのでしょうか。



⓪まずはじめに

 この曲はPVの情報量が多いです。アニメPVではなく、絵自体はサムネイルから変化があるわけではないのですが、前奏や間奏中にも文章が出てきます。この部分はサイトなどにも書いてないので、止めて見るか私のようにノートやメモ帳に書きだすかしかないです。もしかしたらTwitterなどにはあるかもしれませんが……。

 

 文章が出てくるのは次の三カ所です。


 前奏(1番Aメロ前)、間奏①(1番サビ‐2番Aメロ間)、間奏⓶(2番Aメロ‐2番Bメロ間)


 この部分も曲の一部ということで、ここではその文を載せるのは控えておくこととします。しかし、読んでみるとある特徴がわかるかと思います。

 それは曲を見た後の方がわかりやすいので、最後に記します。


 なおサムネイルはAyaseさんの絵です。絵も描けるとは……脱帽ですね。自分は絵はからっきしなので。


①「大丈夫」

 先に記した通り、この曲は春の別れの曲です。サムネだけを見ると卒業式近く、もしくはその後なんかに聞くと雰囲気が出てきそうに見えますが、そうではない見方も出来るかと思います。


 さて、そんなこの曲ですが、言葉遣いがほんとうに女子っぽいと感じています。

 ふたつのサビの最後は「~ないで 大丈夫 泣いてない」で終わります。

 動画のコメント欄の方でも指摘されている方がいるのですが、この「大丈夫」の使い方ですよね。いかにも女子っぽいと感じます。こんなにも「大丈夫」の一言が印象に残る曲も珍しいんじゃないでしょうか。


 この曲、一人称はないです。そのため、言葉遣い(「~の」「~でしょ」で終わるところがある)や、二人称「あなた」が使われていることなどから女性目線であることを推測するわけですが、その一番のヒントになるのがこの「大丈夫」だと、私は思いました。もちろん、曲の第一視点の性別が何かということが絶対に重要とは、必ずしも言えませんが。



⓶もしやこの曲

 以前紹介した「夜撫でるメノウ」は「夜に駆ける」の先祖のように聞けたわけですが、この曲の場合は「ハルジオン」の先祖に聞けます。

 特にBメロ。この部分が、ハルジオンのサビに繋がっていくような。そんな気がします。


 「夜撫でるメノウ」のときにも言ったかもしれませんが、Ayaseさんのすごいところは、それぞれの曲が、似てるのに違うというところだと思います。だから新しく聞き始めた人はもちろん、昔から聞いている人々も聞き続けるのかもしれません。

 


③歌詞と文章

 先に挙げた文章についてここで言及します。が、その前に曲の雰囲気をここで再確認しましょう。

 改めて歌詞を見直すと、別れの曲は別れの曲でも、一概にカップルの終わりというようには決めつけられないことがわかります。むしろ片思いを抱えて別れていくような、そんな曲に見えます(「本当は伝えたかったこと」とかありますし)。

 それは解釈する人次第ということにしておいて、いよいよ、歌詞と文章について見ていきたいと思います。


 先述の通り、この曲には一人称はありませんが、「あなた」という二人称はあります。文章の方も一人称はありません。そして二人称「君」があります。

 なにがいいたいか。文章と歌詞とでんです。

 よく見てみると、文章の方の文体も、歌詞のそれとは違うように見えます。

 もちろん歌うところと歌わないところとで違いが出てくるのは当然ですが、それにしても、という印象です。

 

 また、時間軸も違うと思われます。

 歌詞の方の時間を「現在」とするなら、文章の方は「未来」からの視点であるように見えるのです。「あの時の景色」だったり、「あの頃の景色」「「もっとこうしていれば」」と言った文章が見られるためですね。未来から歌詞の時間軸を見る、すなわち過去を振り返る視点を、文章が担っているということです。

 ただし、一番最初の文章(前奏中の文章)は歌詞と同じ時間軸です。


 歌詞で出てきた「あなた」の視点、それがこの文章部分だと、私は思います。



*** 

 サビの最後「泣いてない」のところは音がなくなる一方、本当に消えそうな声です。そっけなく、呟くような、そんな歌い方です。これを読んでいる方の中で、実は歌い手ですなんて方がいらっしゃいましたら、そんな風に歌うのもいいかもしれませんね。元気に歌った場合は、空元気っぽくなってそれはそれでいい雰囲気が出そうですが。

 

 語りたいことは毎度の如くたくさんあります。二番のAメロとか、直前の文章と合わせると、見えてくるものもあると思います。しかし、字数も多くなってきましたし、紹介という立場を取っていることもあるので、ここまでにしておきたいと思います。あまり語りすぎるのもよくないだろうという判断です。

 AyaseさんやYOASOBIのファンの方、あるいはボカロに抵抗感のない人は、ぜひ聞いてみてください。

 また次の曲でお会いしましょう。蓬葉でした。


 URL(再掲):【 https://www.youtube.com/watch?v=_lmwvFgV_04 】


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