鉄門
@HisFm
鉄門
乾いた風がひゅるひゅると吹き荒び、草木の類も寄せ付けぬ、荒涼とした大地に、その門はあった。鉄の身に、煮え切らないようにじっとりと注ぐ太陽光線を受けて、鈍色の身体を重く、冷たく光らせながら、生けるものの寄り付かぬその地に鎮座していた。門の他に建物は一つとしてない。ただ、一人の男が、門番として門前に屹立していた。門は、果して何をその奥に秘めているのか、我々は知る由もない。門番は動かなかった。時々、厚い目蓋がそのくすんだ目を覆うことだけが、彼が生きていることを示す
鉄門 @HisFm
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