第7話

君には病気の事は言わなかった。

悲しむと思ったから。

ずっと笑っていて欲しかったから。


そこからは、どうしたら君に嫌われるかばかり考えていた。


昔のように、そこら辺の猫に手を出した。


家に帰らなければ君は気付くと思った。


浮気の証拠は君がすぐに見つけられるように残しておいた。


君は中途半端なことが嫌いだから、

この生活を続けていれば、僕のことを嫌いになって出て行くと思った。


出て行かれる前に、覚悟が必要だったから、教えて欲しかった。


我儘だね。


気付いたら、君は何も言わずいなくなった。


当たり前か。


しばらくして、弁護士から連絡が来た。

君に余計なお金を使わせたくなかった。

でも、君とはもう連絡がとれないみたいだ。


全部君の言う通りにする。

お金で少しでも君の気持ちが紛れるなら。

欠席裁判となり全ての条件をのんだ。

慰謝料を払い終わるまでは会社に残った。

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