第3話

それからしばらく真面目に仕事をした。


君に認められたいと強く思った。


その頃には飼っていた猫にも出て行ってもらった。


お酒の力を借りて、何度か君に気持ちを伝えたが取り合ってもらえなかった。

君には彼氏とやらがいるらしい。

普段なら寂しさを埋めたくて、他の猫を持ち帰る僕も、仕事に全力を注いだ。


飲み会の帰りに何度か散歩には付き合ってくれた。

たわいもない話をした。

それが無性に嬉しかったのを覚えている。




ある日、君は随分と落ち込んでいたね。


力になりたくて、無理やり話を聞くことにした。

少し迷惑だったかな。

でも、いつも以上に君の話が聞けて嬉しかった。


つい、いつものように散歩に誘い

気持ちを伝えてしまった。


すると、思いもよらない答えが返ってきた。


嬉しくて嬉しくて君に少し呆れられたかもしれない。


これから先、

君を悲しませたくない、笑顔にしたい、

そう強く思った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る