VS鬼
洞窟の奥へ進むと大広間に出た。
『よく来たな人間。このSランクダンジョンに単身乗り込み我の元にたどり着いたこと、称賛に値する』
やたら上から目線で俺に話しかけてきたのは、体長は巨人よりやや低いが筋骨隆々の身体に逞しすぎるその腕を生やし、頭に威圧感を与える2本の角を持った
まさに鬼がそこにはいた。
『人間、貴様は強い。どうだ?我らの仲間にならないか?』
「…いきなり何を言う」
鬼はいきなりトンチンカンな事を言う
『我は待っていたのだ、魔王様の元で共に戦う戦士を』
「…よく分からないがお前は何者なんだ?」
『フハハ、よくぞ聞いた。我こそは魔王軍四天王が一人不死身のカイザー。日本と言う土地を治めよとの命を受けこのダンジョンで力を貯めていたのだ。』
「日本を治める?言い方はアレだが俺の事を人間と称したんだ、まともな扱いを受けるとは思えないな」
『当たり前だ。人間とは家畜であり、我ら魔王軍の礎となるべく、命を掛けて尽くすのだ。』
俺は、頭のおかしな鬼の話にだんだんとイライラしていく。
おかしいな、心の修行もしたはずだが沸き上がる怒りが抑えきれない。
「…俺もその人間なんだが?」
『強者は別だ、お前はこれから我の下に付き日本を治める手伝いをしてもらう。なに、褒美なら幾らでもくれてやるぞ、好きな土地の支配を任せてやろう。金も女も望むがままだぞ?』
まだだ、まが我慢しろ…
「……お前は強いだろう?俺の力が必要だとは思えないな」
『フハハ、我はまだ外で充分に力を発揮することが出来ないのだ。外はまだ魔素が薄い、だからこうして魔素の濃いダンジョン内で幾を伺っていたのだ。そこにお前の事を聞いてな、外の魔素が充分な量に達するまで我の右腕として働いてもらおうと思ったわけだ』
正直、いろんな情報が一気に流れ込み何がなんだかよく分からない。だが、
「お前が俺達人間を、人類を害する敵だと言うことが分かった。答えはノーだ化け物め」
『ノー?雰囲気から察するに嫌ってことかな?』
「当たり前だ。何故俺が人類の敵に味方しなきゃならない!」
『フハハハハハ。よかろう、ならば力ずくで我に屈服させよう!』
瞬間、鬼のプレッシャーが跳ね上がる
「望む所だ、勝って俺の知らない事全て喋ってもらうぜ」
【仙気流・闘気纏】
『フハハ、やはり素晴らしい戦闘力だ』
鬼は俺の闘気を見てもまだ余裕がある、やはり相当に強そうだ。
相手に余裕があるならそれが油断に繋がる。先手必勝、【仙気流・連気拳】拳の弾幕で俺の姿を隠し鬼の頭上へと一気に跳躍、鬼の角を掴み方向を変え頭の後ろから強烈な膝蹴りを叩き込む
『お?』
【仙気流・飛翔爪脚三連飛び膝蹴り】鬼の後頭部
へ、力の込め方を変えた三連撃を浴びせる。
一撃目二撃目と弱めに放たれた膝蹴りは三撃目に真価を発揮し爆発的な威力の膝蹴りへと変わる。
『ぐお!?』
鬼の頭部が陥没し首から離れダンジョンの土壁へとブチ当たる。
頭部を失った鬼の身体はゆっくりと倒れる。
「……油断しすぎだ。呆気なさすぎるだろ」
正直俺と同等かそれ以上の力量に思えた鬼だが終わって見ればなんてことはない、俺の圧勝だった。
当然沸き上がるあの力もやってこない、少し残念に思いながらも情報を聞いてないことを思い出し更にヘコむ。
「ぐぁ!!?」
突然来た背後からの衝撃に自分が殴られたのだということにやや遅れて反応する
『これは申し訳ない。だけど油断しすぎだ人間、呆気なく終わってくれるなよ?』
そこには頭を吹き飛ばしたはずの鬼が立っていた。
『言っただろう?我は不死身のカイザー、頭一つ潰したぐらいで勝った気になるなよ人間?さぁ我を楽しませろ!』
首から頭を再生させながらなんて事ないように鬼は言った
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