街生活4年後
ゆう君が居なくなってもう4年が経つ。
サラサラの長い髪を靡かせて、モデルにも引けをとらないプロポーションで他を圧倒しキメ細やかな白い肌の顔を歪ませ、ゆうの幼馴染、かえでが呟く。
絶賛山籠もり中である人物の幼馴染であるかえで。
彼女は当時の事を今でも思い出し後悔する。
あの時もっと傍にいて力になれていたらと。
あの事件がおきてからのゆう君一家はまさにバラバラだった。両親はもちろんのこと、ゆう君も学校に詰めかけるマスコミなんかに目をつけられ日に日にやつれていき、しまいには学校に来なくなった。
その後両親が亡くなった後のゆう君はもう見ていられなかった。たまらず声をかけようにも返事はするけど心はここにあらずって感じでまさに抜け殻のようだった。
しばらくした後図書館に籠もったと思ったらいきなり山籠もりすると言い出したから皆も辛い気持ちは分かるがはやまるなと言って止めた。
なんとか納得させて一旦は落ち着いたと思ったらいつの間にか居なくなっていた。
世話していたゆう君のオジサンやオバサン、もちろん私も皆でパニックになって慌てて警察に捜索願も出したけど必死の捜索も叶わずゆう君は行方不明になった。
部屋の机にあった置き手紙には、今までありがとうと、これから1人で生きていく事と、妹をよろしくと言う事が書かれていた。
親の遺産とか諸々の事もオジサンに引き継ぐと書かれており通帳も一緒に置いてあった。
私には一言メールで「ゴメン」とだけ送られていた。
私はすごく後悔し涙が止まらなかった。
彼は既に限界だったのだ。
表面上に見えていた昔のような元気もただのから元気で彼はとっくに壊れていたのだ。
皆で必死に励まして慰めていたのも彼には何一つ届かなかった。そしてこれからももう届かない所に行ってしまったと言うことにまた涙が溢れた。
あれから4年。大学に通う私だが未だ心が晴れる日はやってこない。
直前までは山籠もりをすると言っていた彼の事だから死んではいないのだと思う、だけどどこで、なんのために何をしているのか。
今日も考えるのは好きだった彼のこと、そんな時だった
世界が揺れた
初めて体験する大きな揺れ。それは激しく、長く、30秒程の出来事が1時間にも2時間にも感じた。それほどの恐怖だった。
その出来事をきっかけに世界は変わった。
あの時の地震は日本だけではなく世界中で起きていたらしかった
それと同時に世界中で地中から現れ発見される遺跡や洞窟又は古臭い建物
その中には今まで想像上でしかなかったの生き物や化け物達が蠢いていて人類はその場所をこう呼んだ
通称【ダンジョン】と
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