山生活2年目
1年目は大変だった。
とにかく自然の厳しさを学んだ。
己の弱さも学んだ。
何度も挫けそうになった。
だけどその度に思い出すあの時の出来事。
思い出す度に世の中に絶望し未来に絶望し、そして今の自分自身に希望を見出して生きてきた。
正直山を降りたいなと何度も思ったが、考えても見てほしい、辛いことがあったとはいえ子供が大見得きって山に籠もると言い出し何もかもを投げうち出てきたのだ。
そう簡単に帰れるわけがない。
これは自分のプライドでもあるし勝負なのだ。
なんの力も持たない17歳の少年ができる世の中の理不尽への挑戦なのだ。
この1年の生活と成果を報告しようと思う。
まず拠点だがあの大雨の日から学び、少し小高い場所の平地へ移動した。
それなりに広く、木も密集してなくて開けているので畑なんかも将来的には作れそうな場所だ。
その分川からは大分離れてしまったがまぁ仕方がない。
一日に3回の水くみで今は足りているしそこまで苦じゃない。
次に食料だが持ってきたものは既になにもない。
なので今の自分の主食は主にキノコとなっている。
ホントは魚なんかも狙いたいのだが川魚というのはとにかく警戒心が強い。
ちょっとでも近づこうものならすぐに岩場に隠れて出てこない。
一日粘って釣りをした日もあるがなにも釣れなくて諦めた。
だからキノコを主食に木の実や山菜なんかで食事を賄っている。
肉?イノシシ?無理でしょ?
最後に家だがまぁそこまで変化はない。少し周辺を改造したぐらいでまだまだ大丈夫そうだ。
でもそろそろ家造りに着手しないといざと言うとき大変そうだ。
気が向いたときにでも準備をしていこうと思う。
それから風邪を引いた際の寂しい思いと教訓を活かし、体造りの一環として食料集めの際は森を走るようにしている。
始めこそ5分もたたずに息も絶え絶え足もガクブルだった自分だが、今では2時間位走りまわっても大丈夫なくらいに成長した。
森の中をこれなら結構凄いんじゃないかと密かに自画自賛している。
まぁ誰に秘密にするもなにも無いんだけど。
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