山生活1年目



最初の1週間は大変だった。

まず1人で生きていくことのなんて難しいこと。


始めの2.3日は良かったんだ。

静かな良いところだなぁーとか、のんびりしてていい気分だなぁーとか。


それが4日目にいきなりの大雨が降ってきて、外に出してた濡れたらマズいもんなんかをテントに入れたまではよかったが、地盤が低い所だったためか周辺の水かさは増えてくるし、逃げようにも逃げる場所なんか考えて無かった自分は一旦テントも荷物も諦め近くの木に登り、かろうじて持ってきたブルーシートをカッパ替わりに体に包んで夜をしのいだ。


別に自然を舐めてたわけじゃないが正直甘く見てたのは否めないだろう。

まずは壮大な大自然に洗礼をくらったと割り切ろう。

ネガティブに考えちゃダメだ、ポジティブにいこう。今後に活かすんだ。



雨があがるのを待って自分はテントに戻った。

膝下まで浸水してるが仕方がない


とりあえずこの場所はだめだということがわかった。

違う場所を探そう。

自分はビショビショに濡れた体と荷物を引きずり新しい拠点候補地へと歩くのだった。




風邪を引いた。

当然だ、濡れた体をろくに温めもせず重い荷物を持って何時間も山を歩けば誰だってそうなる。


今思えば病気になって1人という経験が俺にはまだ無かった。

それは親であったり妹や親戚であったり幼馴染が必ず誰かは着いていてくれた。病院に行けば適切な薬だって処方してもらえる


だけど今は1人。自分でなんとかしなくちゃいけない。幸い薬の類いは持ってきている。

人との繋がりを断つために1人を選んだ自分だが、1人というものがこんなにも寂しいものなんだと、体が弱っていたこともあるのだろう、すごく心に染みた。

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