第87話 一泊目

 俺のターゲットの証明が続く。


(咲、真菜、俺の今までの動きはどうなの?大した事出来ないけど良いのかな?)


(ノン、良いよそれで。あたしと真菜しかノンの心に声を送れないから。)


(ノンさん、いつでも声を送って下さい。自願なんて吹き飛ばして下さい。)


(ありがとう。二人がいるから心強いよ。)


 俺は食事を済ませ、店を出た。次はノアのビルの地下にあるパチンコ店だ。平日の昼間なのに大勢のお客で賑わっている。禁パチ4年だが依存症の俺には目の毒だ。もし打てば大当たりを引くまで、お金を注ぎ込むだろう。しかしパチンコってなんであんなに面白いのだろう。


 結局1時間、店内をウロウロして打たずに店を出た。


 レンタル店に行き、準新作を見て回る。見ても良いなという作品が何本かある。咲と相談して次に来た時決めよう。


 次は大型書店だ。いろんな本を立ち読みすると、1時間はゆうに過ごせる。そうこうしてる間に、時間は午後4時だ。


 俺はカプセルホテルに宿泊するつもりでいた。チェクインが丁度始まる時間だ。カプセルホテルに宿泊した事が無い人に説明すると、寝床が二段ベッドの様になっていて、それが沢山並んで有る感じだ。値段は下段の方が三百円高い。上段は昇降が大変だからだろう。俺はいつも下段を選ぶ。


 チェクインを済ますと先ずサウナに入る。


 たっぷり汗をかき、カプセルホテル内の居酒屋でキンキンに冷えたビールを飲む。本当に生きてるって良いなと思う瞬間だ。つまみにエイヒレと焼き鳥3本頼んだ。〆にチャーハンを食べて、食事を終わらせた。


 寝床に行くと備え付けのテレビを見る。アダルトチャンネルやパチンコ、パチスロ専門の番組もある。


 午後8時の精神薬を飲むと、後は寝るだけだ。


(咲、真菜、もう寝るよ。おやすみ。)


(ノン、明日も頑張ってね。寂しいだろうけど少しの我慢だから。おやすみなさい。)


(ノンさん、おやすみなさい。)


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る