第77話 タンポポでのトラブル

 俺がタンポポの職員と揉め事を起こし、解決して作業に復帰した後、トラブルが起きた。


 ある日のミーティングでの出来事だった。例のトラブルメーカーの津田が、タンポポの作業を批判し始めた。持論を展開して二十分ダラダラと話したところで俺が「言いたい事が分からないよ。」と言った事で津田がキレた。

 

「お前には理解力が無いんだ!こんなにメンバーが少ないのに!」

 

 俺は黙って十分以上津田に怒鳴り散らされた。職員もいたが黙って見ているだけだ。怒鳴り続ける津田を、やっと別室に連れて行く職員。俺は呆れてミーティングルームを後にして帰った。


 家に帰ると、携帯からタンポポの施設長に、津田の行動は契約解除に当たる重大な過失だと抗議した。施設長は津田を許す様に俺に言った。精神障害者だから仕方が無いと言うのだ。


 この施設長の言葉に俺の頭に血が昇った。こんな事だから精神障害者が白い目で見られるのだ。俺が津田に言い返して、刃物ででも刺されたらどうするのか?この事件が有り、俺は翌日からタンポポを休んだ。


 俺が休む事に責任を感じた津田は、タンポポを退所する決心をするも他に行き場が無く、未練タラタラだ。俺も津田と同じで他に行き場が無かった。


 咲と真菜に話すと「辞めても良いし、続けても良いよ。ノンの好きにすれば良い。」と同じ答えが返って来た。


 俺は復帰する道を選んだ。


 但し津田と和解した訳では無い。作業は工賃を頂いているのできちんとやるが津田と言う人間は嫌いだ。


 俺のタンポポ復帰初日、津田が朝の朝礼で「皆さんに不愉快な思いをさせ、申し訳ありませんでした。別の行き場所が見つかるまでタンポポに置いて下さい。」と詫びていた。


 俺は2週間タンポポを休んでいた。

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