第42話 真菜からのアドバイス

 咲が女子に霊力を授けると、ここで真菜の出番だ。


 ショッピングモールの広場に、霊力を授けられた女子を呼び出し、心の声を使い悩みを聞いてあげていた。


 この時、真菜は全ての人と心で会話できるようになっていた。直に会わず人混みに紛れ対応した。この広場は女子の間でパワースポットと呼ばれるようになった。


 真菜の通う高校は駅からバスで十五分かかる女子高で進学高だ。授業が終わると、広場に行き悩みを相談されていた。相談の多くが異性問題で彼氏に関係を迫られて困っていると言うものだ。


 男性経験の無い真菜には酷な相談だ。


 咲に相談すると、性交渉は必ずコンドームを使用して、感染症にならない様に気を付ける事だと答えた。もし妊娠したら最悪施設に頼んででも産むように勧めるべきだと言った。


 それをパートナーに話、妊娠する覚悟が無ければ性交渉はしない方が良いと言った。


(咲さんはノンさんとの間に出来たら産みますか?)


(もちろん産むよ。傍から見たらノンの孫だと思われるだろうけどアハハ!)


 咲の声を聴く俺は驚いていた。戸籍も無いのにどうやって産むのだろう。可能性があるのはマチルダとして産むという事だ。そして猫の親として咲と育てるという選択だ。俺は頭の中が混乱して思考停止になった。


 咲は家に帰り、夕食の支度をしながら真菜と心で会話していてとても楽しそうだ。


 今日の夕食は、豚ロース生姜焼き、千切りキャベツ、トマトサラダ、大根の味噌汁だ。ハイボールが一本出て来た。最近はアルコール類が出ると夜の営みが無い。酔うと俺のシンボルが言う事を利かないのだ。


 俺がハイボールを要らないと断ると咲を抱く合図になるのだ。


 アヒル口にして俺の反応を見る咲。「今日はお茶で良いよ。」と、俺が言うと小さく「よっしゃ!」とガッツポーズを取る咲。


 二人の長い夜が始まるのだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る