熱い魂、燃やせポジティブ!【カゲロウ】
『あー、テステス。これ、音声入ってる?』
『大丈夫だと思いますよ。ほら、マイクの感度も反応してますし』
『あっ、本当だ。よしっ、コホン……。テメェら熱くなってるかぁ!!?? ロックンロオオオオオオオオルッ!!!!』
:キタキタキタキタ!!!
:熱くなってんぜええええええ!!!
:今ほのかに誰かの声聞こえた気がする
:ホムラたんじゃない?
:いや、明らかに低い声だったぞ
『活気付けの遠吠えもしたところで、急遽ではあるんだがス○ブラの練習会をするぞ! そしてコメントでもチラホラとあるが、今回は激アツなスペシャルゲストが来てくれている! 自己紹介を頼んだ!!』
『えー、どうも皆さんこんにちは! アスノテのVTuberグループ、ANIMAL四期生に所属している鷹飛ユウキです! この度はミライバ、そしてそのDreamLifeに所属しているカゲロウ先輩とコラボさせて頂くことになりました! 失礼のないよう肝に銘じて、進行していきたいと思ってます!』
:えええええええええええっ!!??
:マジで!?
:おいおいおい、これはなにかの夢か!?
:待って、ミライバとアスノテがコラボするって初めてじゃない!?
:公式ツイートでカゲロウが意外な人物とコラボするとは聞いてたけど、まさかの!?
:胸熱過ぎるやんけぇ!!wwwww
カゲロウのコラボ相手が鷹飛ユウキだと分かった瞬間、コメント欄は大いに加速した。
それ程までに今回のコラボは意外性を付き、視聴者を驚かせるのには十分過ぎるものだった。
アスノテとミライバ、この二つがそれぞれ受け持つVTuberがコラボする事例など無かった。
憧れの存在、ヒスイ改め涼音とリアルで再会を果たした祐樹は裕也から詳しい企画の内容を話され、その中でこちら側が負けてしまうと涼音が奪われるという事実を知る。
その時、それだけは決して避けなければならないと目を血走らせながら決意した。
何がなんでも翔太を僅かな期間の間で鍛え上げて、勝ちにもっていくと。
それからの行動はとても早く、ミライバのマネージャー代表である瀬川と、アスノテのマネージャー代表である宮田(弟)に土下座する勢いで両社のコラボを解禁してもらうように頼んだ。
ただ意外にもその頼みは受け入れられる。
というのも難しい条件があるわけでもなく、ただキッカケが無かったのだと言われた。
ちなみに社長も今回の企画については目を通しており、会社の成長に繋がるのであればと承諾した。
その結果が今回のコラボに至る。
そして何気に二人がミライバとアスノテを繋ぐ架け橋、つまりはその先駆者となり、これからも両社がコラボするきっかけになればと寧ろ期待をされたのだ。
『ということでスペシャルゲスト、鷹飛ユウキと一緒にスマブ○をしていくぞ!!』
『いやぁ、楽しみですね。でもその前に軽くなぜコラボすることになったのかという説明をした方がいいと思います』
『確かにそうだな。なぜ今回、ユウキとコラボすることになったかというと、お前ら公式の告知で近々あの堕天四姉妹、要するにゲーマーズとオレたちが勝負するってのは知ってるよな?』
:あー! 知ってる知ってる!
:これもまた珍しい企画よなぁ
:大規模な企画だと言ってたっけ
『それでだ、光栄なことにこのオレも堕天四姉妹に挑戦する権利を得たわけだ! だが音楽に関してはまだやれるものの、ゲームとなればそうはいかない。だって知識ないからな……。だからこそ練習を重ねる必要があり、それをサポートしてくれる相棒が必要だった!』
:ほほう?
:つまり、その相棒というのがユウキだと?
:なるほどねぇ
『コメントでもあるように察しがよくて助かる! そう、今回の相棒はユウキ! つまりこの時点でオレは最強となった!』
『まぁミライバに顔出したら拉致されてこうなってるんですけどね』
『えっ、話違くない?』
:素になるなwww
:草wwww
:後輩を拉致したんかよwww
:マジかwww
『冗談ですよ冗談! まぁでもカゲロウ先輩が言うように、強くなる必要がありますよね。そこで俺がサポートするのと、視聴者の皆さんもからのアドバイスを糧に頑張って頂けたらいいなと思いコラボすることとなりました!』
『後輩の冗談でオレの印象ガタ落ちしかけるのマジで怖いんだけど? まぁとりあえず、そういうことだ! だからお前ら、色々と教えてくれてよな!』
:りょ、任された
:ナーフ不可避と言われるぐらいに協力してやるよ!
:ユウキニキが居ると聞いて参上
:とりあえずは基礎からやな
コラボの理由、そして今回のテーマを述べた。
すると視聴者たちは活気に満ち溢れ、カゲロウの強化配信が始まった。
『というのも、この配信をする前にカゲロウ先輩とは既に何度か手合わせしたんですよね』
『結果、惨敗だったけどな』
『仕方ないですよ。ただやはり、どのゲームでもそうですがまずはキャラを絞りましょう。カゲロウ先輩はどういったキャラを使いたいですか?』
『オレといえば熱い魂!! だから“赤髪”のキャラがいいな!』
『なるほど、よくわかりませんが、ホ○ラとかどうですか?』
『えっ? オレの妹、スマ○ラに居るの!?』
:違う違うwww
:それは冗談じゃないでwww
:実際におるんやで、ホ○ラ&ヒ○リ
:流れ的にそうだろうと思ったよwww
:じわじわ来るってwww
『えっと、このキャラですね』
『なんだこのナイスバディ!? オレの妹にはないものがありすぎるだろ!?』
:言いやがったなwww
:確かにえちえち度は高い
:エチチチチチチチチコンロ点火ッ!!
:なんでや! 妹のホムラたんも可愛いしえちえちなとこあるやろ!
:妖艶さが足りてねぇ、圧倒的に
:そのキャラが嫌ならガオ○エンっていう赤いキャラはおるで
:ただしオス←
単純に上手くなるだけに観点を置き、まずは使用するキャラを選ぶべきと言われ、カゲロウの特徴に見合ったキャラを勧められる。
ただ名前が妹のVTuber名と重なり、正反対な容姿にカゲロウは目が釘付けになる。
『少し癖のある特殊型で使い慣れるまで大変ですが、その恩恵として単発のダメージ量が高火力やんですよね。横スマも溜めは長いですが決まればそれなりに相手に圧をかけられますし、楽しいと思いますよ』
『ほえー! なんかよくわからないけど、グッと魂に響いてきた気がするぜ!』
『自分は特にマ○オを使ってます。このキャラはスタンダードで、非常に使いやすいですが攻撃範囲が狭いのと、ダメージを稼ぐのであればコンボを決めることは大前提。それでも自分はスタイルが合ってるので使ってる感じです』
:博識すぎるやろwww
:ユウキニキはアスノテの企画で開催されたスマブラ大会で優勝してる強者やで
:レートに見合わない実力者。噂では本垢が別にあると言われてるもんな
:まぁいきなりホムラは難易度高い気もするけど期間も短いしな。無難に経験積むなら、ありよりのあり
使用するキャラを決めた後、一通りの動きやコンボの繋げ方、そして基礎的な立ち回りを覚える為に二人は対戦することに。
『ともかく必要なのは経験ですね。なので対戦を積み重ねて技術として叩き込む他ありません』
『そうだな、もうやりきるしかない。とはいえ相手はゲーマーズ、堕天四姉妹だからぁ。基礎を今から学んで、そこからまともにするまで大変そうだな』
『そんなに凄い人たちを相手にするんですか?』
『ミライバの中じゃダントツにゲーム配信が多い人たちなんだよ。しかも各々がプロ並みの腕前持ってるみたいだし、不安でしかない』
『えっ、マジですか』
『マジマジ』
:もはやゲーム専門と言っても過言じゃない
:大袈裟と言われがちだけど、確かに腕前はプロ並みだぜ。しかもそれぞれ得意分野持ってて、ほとんどがそのゲームで上位に食い込んでる
:VTuberでプロ並みってなかなか居ないよな。それも女性で。(偏見ではない)
:確かにゲームのプロって男性のイメージあるから間違いではない。ただ彼女たちも努力した結果で成り上がってるから、本物やで
:正直、ゲーム経験があまり無いカゲロウが勝つ確率は極めて低いんだよなぁ
『確かにそうなるとカゲロウ先輩が勝つ確率は低いかもしれませんね』
『ぐぬぅ……。なんか、モチベが……』
『でも低いだけであって0%じゃないので、全然大丈夫ですよ。それにプロやそれに近い人って癖の一つで読みを警戒するので、意外と初心者の動きは読めず撃墜できるかもしれませんよ』
『えっ、そうなの?』
『これは励ましで言ってるわけじゃなくて、過去に初心者がプロに勝ったなんていう事例は少なからずあるんですよ。その理由として読み合いが上手くいかないというものだったんです』
:めっちゃいいこと言うやん
:そうだぞカゲロウ! お前がモチベうんぬん言うなんてらしくもない!
:低いだけであって0%じゃない、このセリフ明らかに主人公やん
:心強すぎて草www
:頑張ろうぜカゲロウ! 俺たちも全力で応援するしアドバイスするぜ!
対戦しながら不安を漏らす。
だがそれに対してユウキ含めた視聴者は諦めるのは早いと、励ましのコメントを送る。
カゲロウはそんなコメントをチラッと見て、活気づけられる。
『ネガティブなのはオレらしくねぇよな! 勝てる勝てないを考えるよりも、努力こそがオレ自身だぜ! うおおおおおおおおおおっ!!!』
『あっ、今の動きめっちゃいいですね!』
『だろ!? まだまだいくぜぇ!!!』
視聴者数は既に二万を超えており、ポジティブに考えることにしたカゲロウは調子を戻す。
もちろん、それにはユウキも視聴者も同じ気持ちであり、勝つための努力を重ねて、最終的な結果に繋げられるよう一丸となったーー。
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