レリック/アンダーグラウンド 〜最強の”失せ物探し”パーティー、ダンジョンの罪を裁く〜
藤原祐
序 迷宮について
天蓋都市ヘヴンデリート
迷宮には人の営みすべてがある。
先代文明末期のある偉人が謳ったと伝えられているこの
かの偉人が具体的にどんな偉業を成したのかは伝わっていない。一説によると人類で初めて
ともあれ迷宮である。
世界に数多ある『
だが現代にはもはやなんの資料も残っていない。先代文明の滅亡とともにすべて失われてしまった。
迷宮には様々な
地下に開いた洞穴めいた空間。
天を貫く大樹じみた構造物。
地平に広がる荒野のごとき結界。
時空をねじ曲げてここではないどこかへ繋がる点穴。
階層を経るごとに景色を変え、太陽がなくとも明るく、空が見えていても暗く、内部と外ではおよそ世界そのものが異なっているかのような
故に、憶測である。
もしこれらが人の造ったものだとするなら——ただの観光施設であったとか、戦争のための要塞ではないのかとか。
神の手によるものだとするなら——人を減らすための殺害装置であるとか、もっと単純に驕り昂った人に下された罰であるとか。
学説から民話に至るまで実に様々なこれらは、すべて史実たり得る根拠もない。
ただこの謎に包まれた迷宮は、現行文明下の今や、人々の生活になくてはならないものとなっていた。
迷宮は資源の宝庫でもある。
壁の奥に埋まった、自然界では産出されない鉱石や宝石。
内部に棲息する、独自の生態系を持つ魔物たちの素材。
更にはごくごく稀に発掘される、今の技術では決して作成できない
現行文明はこれら迷宮産の資源を基盤に成立していた。
その事実を如実に示す最たる例のひとつに、
世界四大迷宮のひとつにして、最深最広といわれる『
そこに暮らすのは、『
まだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます