倒錯ゲーム開発日誌 〜会社に内緒で〝男の娘〟をしてるのがバレて人生終わったと思ったら美少女の彼女ができて一緒に創った〝乙女ゲーム〟が大ヒットしてしまった。〜
第19話:リクルートスーツの美少女が頼もしすぎる件。
第19話:リクルートスーツの美少女が頼もしすぎる件。
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【前回のあらすじ】
姉さん! 事件です!
ぼくは今、帝国ホテルにいます。
リクルートスーツを着て、めっちゃ高いブラックコーヒーを飲んでいます。目の前ではリクルートスーツを着た猫舌の
可愛い。
しまった! またうっかり
それどころではないのです。ついに
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グレーのストライプのスーツを着た、ロマンスグレーの老齢の紳士にエスコートされている。(
夏コミで、猛暑のなかマスクとサングラスをして、紫色の魔法少女のコスプレをしているぼくを、望遠レンズで激写しまくっていた人と同一人物だとはとても思えない。
どっからどうみても深窓のご令嬢だ。
深層のご令嬢だけど、真相はオタクで、60代の白髪の執事が好みのタイプの
男性客はオールバックで、40代くらいに見える。そして口ヒゲをはやしていた。
ヒゲのダンディズムな人だった。
まちがいない、
お見合い相手のヒゲダンディズムは、こなれた感じで手をあげて、こなれた感じでボーイを呼び、こなれた感じで注文をすませて、こなれた感じで
こういったフォーマルな場に、とても慣れている感じだった。
フォーマルヒゲダンディズムだ。
ぼくは、お茶漬けで有名なメーカーがやっている定食屋のセットメニューと同じ値段のコーヒーをすすりながら、
無理してリクルートスーツ着て、緊張した震える手で、メニューの中で一番安いコーヒーをふたつ注文するのが精一杯の庶民なぼくとは、別の世界の住人なんだなって思った。
ぼくが普段見ていた
可愛い女の子が大好きで、復活した仮面ライダーが大大好きで、60代の白髪執事が大大大好きな、小さなゲーム会社のCGデザイナーの
オフィシャルな
ヒゲダンディズムとお見合いして、婚約して、結婚して、跡取りを授かるご令嬢なのだ。それがオフィシャル
これは、ダメだ。本当にだめだ。
あんなお似合いのお見合いカップルそうそういないんじゃないかな?
だってまるで大正時代みたいだもの。大正ロマンが抜け出てきたみたいだもの。
こんなお似合いのお見合いカップルの間に入って告白するなんて、いくらなんでも無理なんじゃないかな?
もう、あきらめよう。
頑張ってCGデザイナーの求人をして、優秀な人を見つけてください。
ぼくは、ずいぶんとぬるくなったブラックコーヒーを飲み干した。
そして、
怖い。
え? なんでそんな顔をしているの?
ぼくは
茶色いトレンチコートとハンチングで、マスクとサングラスでおっきな紙袋をもった怪しい男がいた。
え? あれってまさか……?
ガチャン!
突然テーブルが揺れた。ぼくが驚いて振り返ると、
怪しい男は「ギョッ」として逃げようとしたけど、
「
やっぱりそうだよね。
髪型がバッチリと決まっている
「(ケフちゃん! 勘弁してくれよ!!)」
わかる、すごくわかる。ぼくだったらこんな恥ずかしいところ好きな人に見られたくないもん。
そんな地獄の空間で、
「
なんで
なんで60代じゃない仮面ライダーの主人公が好きなのか知ってますか!?」
「そりゃ……イケメンが好きなんだろうよ」
「そうです! 女の子はみんなイケメンが好きなんです!」
「じゃあ次の質問!
なんで
「そりゃあ……
「そうです! でも半分不正解です!
60代の執事はあなたの心に居るんです!」
え? どういうこと??
「
あなたは、
え! そういうこと!?
「それに仮面ライダーの主人公の俳優さん、
い……いや……いやいや、似てないよ……全く似てないよ。
でも……髪型とか似てないでもないようでもない……。
「いいですか、
不器用なわたしなんかとは全然違う大人のカッコイイ女性なんです!!
でも……でもですよ!
区別しすぎなんです! 現実を諦めすぎなんです!!
現実にシビアすぎるんです!!
お家の跡を継がないといけないのはしょうがないかもです。
跡継ぎを迫られているのもしょうがないかもです。
でも、でもですよ……せめて……結婚相手くらい……
そしてもちろん、
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