倒錯ゲーム開発日誌 〜会社に内緒で〝男の娘〟をしてるのがバレて人生終わったと思ったら美少女の彼女ができて一緒に創った〝乙女ゲーム〟が大ヒットしてしまった。〜
第17話:あきらめたらそこで試合終了な件。
第17話:あきらめたらそこで試合終了な件。
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【前回のあらすじ】
姉さん! 事件です!
ちょっと……いや随分と苦しい理由で仮眠室の布団を干そうとしていたぼくは、偶然にも、来年の3月で崔峰さんが会社を辞めることを知ってしまいました。
なんでも、お婿さんをもらって実家にある紳士服の仕立て屋さんを継ぐそうです。
でもって、そのお婿さんとのお見合いは明日だそうです。
ストライクゾーンが60代の白髪紳士が大好きな
言葉のセンスは独特ですが、自分が置かれている境遇をしっかりと把握している大人の女性でした。
……でも、本当にいいのかなぁ。
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ぼくは、仮眠室で息を殺して、偶然聞こえてくる、
「で……最近たまーにやってる、刑事ドラマが最高に面白いんですよ。主人公が紅茶が大好きで、英国紳士っぽくて最高なんです!
あの俳優さん、もう最っっっっっっっっ高ハマり役です! あれは絶対、二十年以上続くレギュラー番組になると妄想し……すぎした……りなんかしちゃってます」
「おやおや? わたしはその俳優は、熱血教師や探偵の弟分のイメージが強すぎるのだがね……細かいことが気になるわたしの悪いクセ……あ、そういえば
ぼくは、布団を星終えると時計を見た。5時5分前だった。
今から出れば、
「すごい! カンペキ! 問題なし
この調子で、
可愛い。
良かった。本当に良かった。
ぼくは、
ぼくは、オシャレ可愛い制服を着たスポーツやってそうなボーイッシュ女子高生として、駅前で注目の的になり、商店街で注目の的になり、写真屋さんのお兄さんの注目の的になった。
そして、暗めの緑色のウィッグかぶった女子高生が、あざと可愛いかったり、ままならない表情をしている写真と、美少女のおっぱいにはさまれて爆睡していた青年が飛び起きてめっちゃ慌てふためくまでの一部始終が激写された写真を、現像代を支払って、領収書といっしょに受け取った。
そして、会社のある保険会社のビルに入ると、エレベーターの前にいる
「お、けっこうな羞恥プレイだな」
「はい。
大好きな人のおっぱいに挟まれて寝ていた、いくじなしの男の写真を現像しに行けって言われました」
って返した。
「まあ、両思いのお前らとは違うからな。
って言った。
エレベーターが来た。ぼくと
ぼくは、エレベーターの扉を見つめたまま、つまり
「明日、
「ふーん。それで」
空塚さんは独り言のように返してきたから、ぼくも独り言のように返した。
「いいんですか?」
「しゃーない」
「告白ぐらいは、しといた方がいいんじゃないですか?」
「
「……………………」
「……………………」
会話の間が開くと、すぐにエレベーターは四階についた。
扉が開くと
でも、ちょっと様子がおかしい。発子さんは仁王立ちをしていた。布製のトートバッグと、ブランドモノのバッグを床の上に置いて仁王立ちをしていた。
え? どういうこと??
「あきらめたらそこで試合終了ですよ」
それから回れ右してエレベーターのボタンを押すと、
「あ、ちなみにこれは独り言なんだけれどもね。
告白はそこですればいいのではないかい?
ホテルのラウンジで告白なんて洒落てるね! ホテルの場所は、
発子さんが独り言を言い切ると、エレベーターの扉は音もなく閉じた。
え? どういうこと??
……あきらめたらそこで試合終了ですよ……
もしかしてだけど……本当にもしかしてだけと、
あと……ひょっとしてぼく、空塚さんの告白をサポートしろって命令された??
……あきらめたらそこで試合終了ですよ……
もしかしてだけど……
……あきらめたらそこで試合終了ですよ……
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