倒錯ゲーム開発日誌 〜会社に内緒で〝男の娘〟をしてるのがバレて人生終わったと思ったら美少女の彼女ができて一緒に創った〝乙女ゲーム〟が大ヒットしてしまった。〜
第16話:美少女のまっしろな◯◯◯を見てしまった件。
第16話:美少女のまっしろな◯◯◯を見てしまった件。
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【前回のあらすじ】
姉さん! 事件です!
ちょっと……いや随分とハラスメントな
ぼくは、完璧にカワイくてオシャレな制服の女子高生として街に溶け込むことができました。
そして写真のフィルムの現像まで一時間ほどかかるから、ぼくは、その間に自社のキャラクターグッズの通販の発送作業を済ませようと思います。
あと、晩御飯用のお米を研いでおこうと思います。
姉さん! ぼく、日常業務をがんばるよ。
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ぼくは、会社にもどった。
でもって、帰って早々、給湯室でコーヒーを淹れたマグカップをもった
「
ぼくは、つとめて冷静に返答をした。
「商店街名物の紫のトサカ髪のおばさまに、髪型を不思議がられたからです。
紫のおばさまだけじゃないです。みんなぼくの緑の髪を不思議そうに見ていました。
ウィッグを外したら、ふつうにオシャレカワイイ制服を着た女子高生として街中を闊歩できたので、ほんと
ぼくの返答に、
「なるほど、確かにわたしは、〝
〝
「いやはや、
え? どういうこと??
ぼくが、首をひねると、
本当にもったいない? なにが? 裁縫さんは、弊社でCGデザイナーとして存分にその才能を発揮しているじゃない。あと同人の世界で、コスプレの服飾デザイナーとしてその才能を存分に発揮しているじゃない。なにがもったいないんだろう??
ぼくは、そんなことをぼんやりと考えながら、自社のキャラクターグッズの通販の発送作業をかたずけていると、
「おはよーロッパ」
って、フラフラしながら
そして、自分のデスクに座って、おっきめの革製のトートバッグから、まっしろな封筒をとりだした。そしてフラフラしながら
え? どういうこと?
ぼくは、自社のキャラクターグッズの通販の発送作業を終わらせると、仮眠室の布団を干すことにした。
今日は、ふたりも仮眠室を使ったんだ。しかも
きっと布団も随分と汗をすいこんでいるはずだ。ぜったいにそうだ。直ちに布団を干すべきだ。もう随分と日が傾いているけど、ぜったいにそうするべきだ。
ぼくは、息をころしながら、こそこそと仮眠室の布団を取りに行った。
仮眠室とミーティングルームを隔てているパーテーション越しに、
「……実家を30歳までに継ぐ必要があると言っていたから覚悟は決めていたんだけれどね。しかしだね。こんなに早くに辞めるとはね。だって
「30歳までに継ぐってことは、跡取りを産むって事です。ずっとおじいさまから急かされていたんで、さすがにもう限界です。
お見合いをして、半年後に婚約して、その半年後に結婚して、子供をさずかって産む。
あと2年しかないです。全然時間がないです。実家は本当にじっと待ってくれました。ありがたガールですよ」
「いやしかしだね? いまどきお見合いというのがだね。
家が用意した人と結婚すると言うのがだね……戦前じゃあるまいし」
「いやいや、
お相手の方は一度お会いしています。とっても優しいいい人ですし、40代ですし、口ヒゲがお似合いの人です。
わたしには、もったいないくらいの人です。もったいないオバケです」
ぼくは、仮眠室で息を殺しながら、ミーティングルームの話を聞いていた。
そうなんだ……
家を継ぐって言ってたから、お婿さんをむかえるのかな?
となると
ぼくが、
「……うーん……まあ仕方がないか……となると、すぐにでも後任のCGデザイナー募集しないと」
「それは本当にすみません。ケフちゃんに後任になってもらおうと思ってたのに、わたしがイラストレーターを勧めちゃったから……」
「いやいやいやいや……それはもう本当に感謝している。あんな天才を発掘してくれるなんて、本当に感謝している。あとケフちゃんは明らかに進行管理向きではない。最初から
そうなんだ……
そしてそれは、
ぼくなんかがどうこう言える問題じゃない。
しょうがない。これはもうしょうがない。家庭の事情なんだからしょうがない。
……でも、せめて〝乙女ゲー〟がマスターアップするまでは、
ぼくは、
あのふざけた口調、わざとだったんだ。
わざと、ふざけてふるまって、職場を和ませてくれていたんだ……ムードメーカーを自ら買って出てくれていたんだ。
ぼくが、今まで全然知らなかった
「そういうわけで、明日は帝国ホテルでお見合いです。そこで、交際をお受けしようかと思いマスオさん。あ、マスオさんは婿養子ではなかった……わたしはバカだ。本当にバカリズムだ」
ぼくは、最後の最後で、色々と台無しにした
試合時間終了どころじゃない。もうとっくの前に、ロスタイムに突っ切っているのではないですか?
審判が、時計を見ている状態じゃないですか?
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