第4話 光と闇の国

 光と闇は表裏一体、どちらが善でどちらが悪ということではない。


 前世のキラリちゃんは神祇官が治める光の国にいた。


 前世のマツリ君は闇の魔王が統べる闇の国の王太子だったけれど、微妙な立場にいた。前世のマツリ君のお母さん以外にも、魔王さまにはお妃さまがいて、前世のマツリ君にはお母さんの違う弟がいた。そして第二王子の母方の祖父は宰相で権力者だったのだ。


「もうすぐ出来るわ。お皿、出しておいてね」

 レイちゃんのお母さんがオーブンをにらみながら言う。わたしは「はい」と返事をする。

 ああ、実家にいたときもうちょっとちゃんと母の手伝いしておいたらよかったなー…と、いまさらながら思ってます。わたしは自分のこともうちょっと出来る子だと思っていたんだけど…お母さんごめんなさい。

 レイちゃんのお父さんは大学病院に勤めるお医者さんで家にあんまりいない。不規則な生活をしておられる。そしてレイちゃんには弟さんがいる。コウキ君、中1、むっちゃかわいい!レイちゃんのお母さんはどうもコウキ君を芸能界デビューさせようとたくらんでいるらしいのだ。

「おてるちゃん!もうすぐキラリちゃん出るよー!」

 テレビを見ていたレイちゃんがおしえてくれる。録画していてもリアルタイムで見たいのはやまやまなんですが…お手伝い中だし…。

「あー!」

 レイちゃんが叫ぶ。わたしはなにがおこったのかとテレビに目をむける。

 画面が真っ黒。壊れたのか?

 数十秒後に画面が復活。

 キラリちゃんが目に涙をためている、ように見える。

 司会者が出てきて機械の故障を説明しお詫びしている。

 わたしとレイちゃんは、わーきゃー叫んでいる。

「あー、もう、うるっさい」レイちゃんのお母さんが怒り出した。


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