第3話 魔界の王子さま
「ごめんね、待った?」
「気にしないで、勉強してたし」
レイちゃんの楽屋でレイちゃんの撮影が終わるのを待っていた。
「よく勉強してるわりにはテストの点は…いまいち、のびないよね」
「なんかね、わたしが勉強したところはテストに出ない、という呪いがかかってるんだよね」
「それは、…戦国武将とかは、テストにそんなには出ないよ。…ゴハン食べて帰る?今日はマツリ君が歌番組があるとかって早く終わったし」
「叔母さんがゴハン作って待っててくれてるよ」
「おてるちゃんはうちの母の手先で、わたしのお目付け役だったね。あ、歌番組見たいのか!好きだもんねー」
「なにいってるんですか、す、好きとか、そんなんじゃないですよ」
「キラリちゃんもでるんだよね」
「なんで知ってるんですか!」
「いや、もう、バレバレだから」
「さっきそこでキラリちゃん見たよ。あいかわらずすごい光のオーラ。あれで人間なんだろうか。やはり、れいのあの方の生まれ変わり…」
「キラリちゃんのはなしになると機嫌わるくなるよね。王子」
「おれはもう王子ではない。王子っていうな」
ここは歌番組のアザラシの楽屋。
マツリ君、伯爵、ウルフ、博士。メンバーがそろっております。
「心中するほど愛しあってたんじゃあないの?あの時、魔界では大騒ぎになったていうのに、こんなとこ、人間界でのんきに転生してるとわ」
マツリ君以外は魔界からやってきた魔界の人です。なんらかの魔法で人間界にまぎれこんでいます。
「愛しあってはいない。あいつもうっかり人間界に転生しちゃったんじゃないの。オーラが隠しきれないのでアイドルになることによって放出してるんでしょ。好都合。おれはあいつの光のオーラを奪って魔界に帰る。ただの人間の体のままでは魔界に帰ったところで長くもたないからね」
「キラリちゃんも、前世の記憶を取り戻したのかな?」
「さあ」
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