第2話 いろとりどりの世界
少年は孤独だった。
誰も彼のことを理解しようとしてくれるヒトはいないと思っていた。
彼女があらわれるまでは。
彼女は彼のすることを理解していてくれていたわけではなかったが、少なくとも、気にかけてくれていた。なんでそんなことをするのかと。
少なくとも、頭ごなしに否定するようなことはなかった。
それだけで少年はあたたかい気持ちになった。
少年は孤独ではなくなった。
少年は発達障害だったけど、少女以外だれも気づいてあげれなかったのだ。
世の中にはいろんなひとがいて、いろんな考えかたがある。自分に簡単に出来ることが出来ないひともいるし、自分に出来ないことが簡単に出来ちゃうひともいる。
そんなかんじの話であった。このドラマの原作マンガは。今、現在も連載中なのだが、少年が少女へのラブが過ぎて闇落ちしそうないきおいになっていて少々心配である。
「春野さんはマツリ君のファンなの?」
びっくりした。
「すっごい見てるから」
ぼんやりともの思いにふけってたところに声をかけられたので。しかもはずかしい。
声をかけてくれたのは、マツリ君の事務所の後輩の吉岡カナメ君。まだ、デビュー前だけど、すでにたくさんのファンのかたがたがいらっしゃる。とおとい。芸能コースのクラスメイトである。名前を覚えられていることに驚愕中。
「ファンだなんて、いや、もちろん控え目にいって大好きですけど。わたしのイチオシはマジカルシャイニングセイントトゥインクルキラリちゃん!ですよ!」
ああ、あせって余計なことまでいってしまった!
「…キラリちゃん。キラリちゃんかー。キラリちゃんって不思議だよね。おれたちと同じくらいの年だけど、どこの学校いってるんだろうね。みんな知らないみたいだし、友達もいないみたいだし」
お、おれたちって、きゅん。…いやいや、おそれおおい。
「貴族の深窓のご令嬢か、化粧で別人になれるタイプか…」
「なにいってるんですか!キラリちゃんはキラリン星からやってきたマジカルティアラプリンセスですよ!」
「…ああ、そうだったね…」
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