違和感
小学二年生
産まれてからここまでは割と平和に生きていたと思う
ただ幼いながらに人と違うことを何となく理解していた
みんなが普通にできることが
僕には出来なかった
勉強も
運動も
人と接することも
他の子達より劣っていた
ある日
友達がいじめられているところを見た
“鬱陶しい”
ただそれだけの理由でいじめられていた
何となく、放っておけなかった
「ねえ。次音楽室行かなきゃだよ。もう鍵閉めたいから、早く準備して出てくれへん?」
間接的にでもいいから
どうにか考えた結果でた言葉がそれだった
周りの子達は僕よりも身長も高かったし
しっかりしていて正直怖かった
「は、うざ……」
そんな言葉が聞こえてた
「なんでこうなってるの」
純粋に僕は気になっていじめられていた子に聞いた
無神経だったと思う
「わかんない。」
「そっか。とりあえず音楽室いこ」
そんな会話をしただけだった
でも
この時助けたのが間違いだった。
いじめは何があっても良くない
分かってる
でも、まさかこの後中学を卒業するまでこの子に
苦しめられるとは……知らなかった
次の日から僕がターゲットになった
よくある話だと思う
上履きがなかった
どこにもなくていっぱい探した
それでもなくて
先生に泣きながら相談しに行った
「先生、上履きが、なくって……」
泣きながら精一杯伝えようとした
すると先生も探してくれた
ほかの先生も来てみんなで探してくれていた
上履きは男子トイレに隠されてた
僕が入るはずのない男子トイレに
そして見つかった後に担任の先生にこう言われた
「ちゃんと探さないからこうなるんですよ?」
小さいながらも不思議に思った
男子トイレには女子は入っちゃいけないから
入れないから
探せるはずはないのに……?
そして同じぐらいの頃にその子は僕に着いてくるようになった
朝の時間も
休み時間も
移動の時も
違和感があった
初めは助けたから一緒にいるのかと思ってた
守ってくれるんだって思ってるのかなって
でも、日々隠される物を探す度に思う
_この子がやったんじゃないか_
そう思った理由は色々あった
いつも無くなる物の近くにいたのは彼女だった
そして最初に見つけるのも。
彼女は日に日にいじめっ子たちと仲良くなっていた
あぁ。なるほど……売られたのね
馬鹿な僕でもわかった
多分……先生も気づいてた
その後もいじめは続いてた
中学生時代
部活に集中していた
でも誰よりも下手で
どんくさくて
正直弱かった
でも、この頃にはいじめもなくなって
平和に暮らせていた……はずだった
僕らが2年生になって3年生が引退する時
僕はもう一度いじめられることになった
理由は簡単
僕が副キャプテンに選ばれたから
ただそれだけ
一個上の先輩で副キャプテンをしていた人からの指名だったらしい
それを、その時の親友だった友達は気に入らなかった
でも気にしなかった
ただひたすらに部活にのめり込んでた
自主練も誰よりもした
そうしていくうちに実力がついてくのを感じた
試合で勝てるようになって
ついには3番手まで登り詰めた
僕をいじめていた友達は知らない間に辞めていた
その後は引退までは最後の友情のようなものでまとまっていた。
最終地区4位で終わったのだけど。
そのまま受験も乗越え、良い友人にも出会い
僕は中学を卒業した。
叫んだ記憶 @yu_ya_syokichi
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