第46話 アウロラ




 アウロラは人間では無い。


 否、正しくは純粋な人間種では無いと言い換えた方が良いだろうか?


 人間の父と森の民の母を持つアウロラ。


 精霊と供に生きる森の民の血を引く彼女は、生まれながらにして高い魔法適性を有していた。


 もちろん、完全な人間で無い彼女は生まれ育った国では爪弾き者で、どこにも居場所なんて無かった。


 母は自分を生んだ後、故郷の森へと帰り。人間の父一人で彼女を育て上げたのだった。


「情けない父親でごめんな」


 父の口癖が嫌いだった。


 逃げ出したかった。


 自分が人間で無いと知っているこの国から、どこか遠くへ…………。


 そんな時、魔法学園から招待状が届いた。高い魔法適性を彼女が持っていると、どこからか噂が立ったのだろう。


 魔法に何て興味は無かった。しかし、この地獄のような場所から離れられるのなら何でも良かったんだ。


「情けない父親でごめんな」


 そう呟く父に背を向けて、アウロラは魔法学園へと旅だったのだった。





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