第18話 文化祭準備


 さぁ今日から放課後文化祭の準備が始まる。

 展示はピタゴラ装置制作。

 ステージは生演奏付きのダンス。

 一応クラスの代表なので展示の方も進捗等を確認しないといけないんだが。

 ドラムの練習で手一杯だった。


「とりあえずエイトビートは刻めるようにならないとね」

「すまん、なんだそれ?」


 まず、知識なんてある訳もない。

 決まった夜にネットで調べてみたがさっぱりだった。

 てか、見てたらドラム出来るようになるにはかなりの時間がかかるって書いてたんだが?

 本当に間に合うのか?


「翔馬はとりあえずドラムの練習を頑張って。委員会の仕事はなるべく私がやるから」

「すまん、頼む」


 委員会の仕事葵に任せたが大丈夫だろうか。

 あいつ抜けてるところあるからな。

 まぁ今はこっちか


 空き箱を並べてスティックで叩くという練習をしていた。

 まぁドラムを学校で用意するのは難しいからな

 委員長の家にはあるらしいから休日はそこで練習する予定になっている。


 ダンス組は空き教室で練習。

 楽器組は教室で楽譜を見て話し合い。

 展示組はとりあえずパソコンで調べ物。


 今のところは順調か。

 問題の俺を除いては。


「翔馬ー。ちょっと用あるから生徒会室に行ってくるねー」

「あ、俺も用あるから行くわ。委員長すまん」

「いいよ、仕事だからね」


 2人で生徒会室に向かっていると廊下で吉川君と会った。


「あ、寺島さん。生徒会室に行くの?」

「そうだよ〜。吉川君は?」

「俺もだよ」

「じゃあ一緒に行こうー」


 吉川君と一緒になってしまった。

 正直心が苦しい。

 だって俺忘れてたんだもん。


「寺島さん達のクラスはダンスだっけ?」

「そうだよ〜、生演奏付きの」

「すごいよね。よくそんな案思いついたよ」

「私の発案なんだよ。もっと褒めて」

「さっすが寺島さん」

「あんまり褒めると調子に乗るから程々にしといてくれ」

「むー、翔馬ってばすぐそんなこと言う」

「はああ、2人は相変わらずだね」

「おかけで毎日疲れるよ」


 さっき一瞬吉川君悲しそうな顔をしていたけどなんだったのだろう?


 生徒会室まで葵と吉川君は仲良さそうに話していた。



「さぁ〜、練習だよ」


 生徒会室への用事も終わり今から本格的な委員長の指導が始まろうとしていた。


「よ、よろしくお願いします」

「そんなにガチガチにならなくても、優しく教えていくつもりだから」


 頑張らないと本番までには間に合わないだろう。

 俺は今1度気合いを入れ直した。


「と、その前に、1つ聞きたいことあるんだけどいい?」

「いいけど、なに?」

「寺島さんと付き合ってないってほんと?」


 俺の入れ直した気合いを返して欲しいくらい気の抜ける質問だった。


「付き合ってないけど、なんで?」

「いや〜、なんだかんだ寺島さんの無茶ぶりに付き合ってるし仲良いからさ」

「まぁそうか、幼なじみだから付き合ってるだけだよ」

「幼なじみでもここまではやらないと思うけどね」


 周りから見ればそう見えるのだろう。

 俺は別に葵に好意すら抱いていないんだが。


「話脱線しちゃったけど、練習しようか」


 さぁ頑張るぞ

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