第17話 クラス会議


「では、文化祭何をするか決めていきまーす」


 今日はHRの時間を使って文化祭何をするか決める日である。


「とりあえずステージをやるかなんだけど。みんなどうしたい?」


「「やるー」」


「だよね〜。何をするかだけど、なにか案ある?」


「やっぱりダンスとか?」

「Make 〇 happyやろー」

「激もいいんじゃない?」


「やっぱりこうなるか」


 ステージはやりたいけど特に案はない。

 まぁすぐには出てこないだろ。


「とりあえず5分考える時間作るから周りの人と話し合ってくれ。展示の方も考えてくれると助かる。あと、ステージやりたくない人もいると思うんだけどその人は展示の方を頼む。もちろん両方やってもらってもいい」

「はーい」


 とりあえずこれでなにか出てくれるといいんだが。


「ありがと翔馬」

「これからだぞ葵。まとめないといけないんだから」

「そ、そうだね」


 俺こういう仕切ったりするの得意じゃないんだけど。

 葵が頑張ってるんだ。

 俺も頑張らないと。


「じゃあそろそろいいか。右の方から何が出たか聞いていくから教えてくれ」


 今日中に決めておかないと後々準備苦しむ事になりそうだからなんとか今日で決めておきたい。


 ステージの案としては、ダンス、劇、お笑いってところか

 展示はピタゴラ装置、バルーンアート等こっちは意見が多い。


「とりあえずステージだな。この他に案無ければ多数決か」

「けどさ劇ってさ準備とか間に合うのか?何の劇にするかでも変わってきそうだし」


 どこからか意見が出た。

 確かにそれはそうだな。

 小道具、大道具も必要になるし衣装もだ。

 そうなると劇は難しいのか。


「あ!そういえばさ、委員長ってギター弾けなかったっけ?」


 ここで葵がとんでもない事を言い出した。


「まぁ弾けるけど趣味だよ?バンド経験もないしさ」

「だいたい最後に軽音部がステージでやるだろ。クラスでも通るものなのか?」


 俺は葵の意見の懸念点を指摘した。


「ダンスの曲を生演奏にするんだよ。そうすれば人気出そうじゃない?」

「寺島さんいい事言う〜」


 みんなは盛り上がり始めた。

 とりあえずは委員長がやってくれるかが問題だろうに。


「とりあえず静かに。委員長どう?」

「まぁこの雰囲気は断れないでしょ」

「すまん」

「いや、いいよ。けど、ギター1本じゃあ色々無理だよね。やる曲にもよるけどベースとキーボード、ドラムは欲しいよ。あと、ボーカルか」


 そりゃそうだ。ギター1本じゃ限界はある。


「私キーボードなら出来るよ」


 角積さんが手を挙げていた。

 てか、角積さんキーボードできたの!


「さっすが凛ちゃん頼りになる〜」

「あとは、ベースとドラムか」

「おれ、ベースちょっとだけなら」


 そこでまた手が上がった。

 なんでこのクラス楽器出来るやついるんだよ。


「あと、ドラムだね。誰か〜」

「……。」


 まぁそう上手くはいかないか。


「よし、翔馬」

「ん?なんだ?」


 何故か葵がこちらを見ていた。


「ドラム頑張れ」

「いや、無理だぞ!」


 俺経験ないんだが!


「そんなすぐにできるものでもないだろ。第一委員会の仕事もあるし」

「大丈夫、俺が教えるよ」


 おい、委員長。なんでドラムもできるんだよ。


「じゃあドラムは翔馬に決定で」


 何故か勝手に決められた。

 前も勝手にされたよな。


「ボーカルは責任を取って私がやります」


 責任とるなら俺と変われ。


「では、我がクラスは生演奏付きのダンスで決定」

「パチパチパチ」


 盛大な拍手が巻き起こった。



 後日委員会で生演奏はいいのかという問題は


「面白そうだからいいよ」


 という、生徒会長の一声で許可が降りてしまった。



 ちなみに展示は速攻ピタゴラ装置に決まった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る