第102話 元おじさん・・・倍返しをする!



 これから44階層へと向かおうとした時に、チャチャ達に止められた?


 どうしたのかと尋ねると43階層に残って、この後リポップするであろうカタロスと再戦したいらしい。


 ・・・如何やらチャチャ達もしっかりと実戦経験を積みたい様だ。


 なので、必要になりそうなアイテムや武具を大量に預けて無理はしない様に言っておいた。


「告、マスター過保護過ぎです!」


「みゃあ~」


 ラヴィとノワに呆れられた・・・いいの! おじさんは身内には過保護なの!


 そんな遣り取りをして、43階層にチャチャ達を残し44階層へと向かった。


 階段を降りるとすぐ目の前に扉が在り、上の階層と同じなんだなと考えてトラップの確認等をしつつ扉を開けた。


 中に入るとまず驚いたのは部屋の天井がプラネタリウムの様にキラキラと輝いていた! 裏ボス部屋でなければとても幻想的で見惚れてしまうだろう。


「告、マスター時間が押していますので先にこの部屋の探索を行いましょう」


 ラヴィに急かされて大部屋を隅々まで調査した。


「解、内部構造を把握しましたので、マスターは部屋の四隅に魔法陣を設置して下さい」


 ラヴィの指示で部屋の角に向かう。


「告、魔法陣の術式は既に完成していますのでマスターは脳内に表示しました魔法陣を視覚表示で示した場所に設置して下さい、念じれば設置出来ます」


 確かに加地の辺りに赤いマーカーが見えている、指示道りに念じると魔法陣が設置された!


 その後は、同じ事を3回繰り返して四隅に魔法陣を設置し終えた。


「告、この魔法陣が作用して魔力が集まり易くなりますので、リポップの時間が短縮出来るでしょう!」


 得意げに説明するラヴィ、おじさんも恐らくリポップするであろう部屋の中央から少し後方に離れてハイリッチの出現を待つ。


 待つ事、30分位で部屋の中央が光り出して魔法陣が現れる、そしてその中心からゆっくりとハイリッチが現れた!


 体の全てが出現すると魔法陣はすっと消えた、そしてハイリッチは後ろに居るおじさんに気付かないまま吠えた!


「チキショォ~~~~~~~~~~~! 何だアイツは! 何なんだ! チョットしたアイサツだろうが! アンデットジョークだろうが! ムキに為ってあの様な正体不明の魔法を我に放つなど何と言う無礼! 許される事ではナ~~イ!」


 ・・・流石脳みそが風化した乾物は言う事が違う! なので無礼上等で後ろから〈スキル:天明の裁き〉を使用する事にした!


『天明の裁き!』


 此方の声に反応して慌てて振り向くハイリッチ、表情筋が無いのでどんな驚いた顔なのかは判らないが顎が外れそうな位に口が開いていたのでとても驚いたのであろう。


 もはや回避など出来ない状態なのであっさりとボールペン程の大きさの光がハイリッチの額に命中した!


 一瞬で頭が消し飛びそのまま消滅した、後はいつも通りにドロップアイテムと宝箱を回収した。


「告、マスター今度は中央に此方こちらの魔法陣を設置して下さい、これで相手のスキルと行動を封じられます」


 ラヴィがトコトンやりたそうなのでしていばしょに魔法陣を設置した!


 それから30分後に現れたハイリッチは身動きする事も出来ずに魔法陣に拘束された、そしてここからが本番の周回作業だ!(某暴れん坊な方の処刑BGM♪)


 3,4回目は殺意の籠った眼で睨み、5,6回目には段々怯えて来て、7,8回目にはもう勘弁して欲しいと訴える目で見つめていた。


 9回目には泣きそうな顔に見えた、その頃には『スキル:天明の裁き』の光の大きさが長槍程にまでに変化していた、その為ハイリッチは回を重ねるごとに強化された天明の裁きを受ける羽目に為り精神的にボロボロなのだろう!


 最後の10回目にはもはや目が虚ろだった、今まで眼窩の奥で怪しく光っていた赤い光がもはや消えかかった線香花火の様だ!


 そしていよいよ最後の止めだ、この時に唱えた『天明の裁き』は後光の様な光が溢れてハイリッチを包む様に消滅させた!


「告、〈スキル:天明の裁き〉のスキルレベルがMAXに成りました!」


 最終形態はあんな風になるのかと驚きつつもこれから如何するのか考えた、チャチャ達の様子も気になるし、従魔に何かあれば直ぐに判るので今の所は順調なのだろう。


「! 告、マスター緊急事態です! ダンジョンの奥底から正体不明の反応在り!

 此方に向かって来ます!」


 突然のラヴィの警告に急いで身構える!

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