第98話 元おじさん・・・街を後にする。
色々と大暴れした状態は落ち着きを取り戻し、女性3名も今はきちんと服を着ている。
ご希望のデコイ人形はラヴィの悪ノリで高性能の抱き枕に成ってしまったが、この街では問題無いだろう。
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〈デコイ肉人形〉(マスターデコイ)
・ラヴィがマスターの貞操を守る為に作製した、おとり用肉人形(肉人形とは言うが素材は別物で品質・質感を拘り過ぎた為に本物に限り無く近い抱き心地に成った)
・ドゥジィンさんからの余計な知識で妙な穴や用途不明な暴れん棒が装備されている
・更に騙されて襲い掛かると、付与された「睡眠誘発」「快眠」「安眠」「精神安定」「淫夢」が発動して相手を強制的に眠りへと誘う
・他の付与は「自己修復」「洗浄」「形状変化」「振動」「回転」「往復」「複合」「潤滑」等の一部良く判らないモノもある
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今回受け渡すものは、相手側の希望に
如何やらこの街の主要な女性型ダンジョンモンスターは40体位らしく全員に
・・・おじさん達の来訪にテンションが上がっている彼等には悪いが、残念なお知らせをしなければいけない。
「え~と、皆さん盛り上がっている所、申し訳ないのですが、この街まで辿り着ける冒険者って恐らく自分達位しかまだ居ませんよ。
有望そうな? 難しいかな? 期待の新人(?)は居ますけれど、辿り着くのはかなり先だと思いますので、期待しないで下さいね!」
そう告げると、リルスさんとラミアのお姉さんはガッカリした表情をして、ルイ姐さんは分かっている様に
「その辺は分かっておる、クロウが異常なだけで冒険者共がここまで来れないのは承知の上じゃ!」
そうルイ姐さんが答えると、「「え、そうなの!」」とリルスさんとラミアのお姉さんがルイ姐さんに顔を勢い良く向けて尋ねる、リルスさんに至っては「私知らないわよ!」と困惑している。
「元々、300年以上攻略されていないダンジョンじゃ、まあその300年でダンジョンが成長して更にどうしようもない状態なのじゃが、地上の冒険者では30階層を抜ける事すら難しいじゃろう。
リルスは納得出来ていない様じゃが、此処に居るクロウが異常なだけじゃよ!」
異常認定されたよ! 否定はしないけれど面と向かって言われると複雑だ。
「別にクロウを悪く言っているのでは無い、クロウを基準にして期待をするで無いと言いたいのじゃ!」
そんな風に語るルイ姐さんの後に、エクロスさんがおじさんに訊ねて来た。
「クロウ殿はダンジョンの攻略が目的ですよね? 攻略された後は如何されるおつもりですか? もし『エクロス!!!』」
ルイ姐さんが一喝する! 威圧交じりのその声に、ラミアのお姉さんは気絶し、リルスさんは腰を抜かし、エクロスさんは硬直して固まったのち小刻みに震えている。
その後、諭すように優しく話す。
「エクロスや、おぬしが何を言いたいのかは想像は付くがそれ以上は駄目じゃよ。
クロウ個人との取引なら良い、クロウには自力でこの街に辿り着いた事で、その資格が在るからのう。
じゃが、資格の無い者達をこの街に招き入れ、
おぬしの事じゃ、クロウに頼んで冒険者ギルドに39階層の転移珠を渡して欲しいと頼むつもりだったのじゃろう。
そして、訪れた冒険者達に武具とアイテムを売り付けて、38階層でレベルを上げさせてと言った所かのう。
ダンジョンと人族は互いに利用し合って共存しているが、ダンジョン側にとって人族はその欲望を利用しやすい獲物じゃ、対等では無い!
じゃがもし対等と位置付ける者が居るならば、それは自身の力を示し辿り着いた者だけじゃ。
そしてエクロス、ダンジョンの方針を決めて良いのはダンジョンマスターだけじゃ、おぬしでは無い! 理解出来たか?」
「申し訳ございません! ルイ様、自身の領分もわきまえずに
エクロスさんは
「良い良い! 分かって貰えれば問題無い♪
クロウにも見苦しい所をみせたしまったのう、お詫びに回数制限無しの39階層転移珠と全ての娼館を無料で楽しめる永久チケットを贈ろう♡」
・・・どこまで本気なのか分からない方だな、恐らくこの街の本当のトップはルイ姐さんなのだろう、普段は面倒くさいから押し付けている様な気がする。
「そんな事は無いぞ、クロウの勘違いじゃ!」
普通に此方の考えを読んで来るし・・・まあそういう事にして置こう。
その後は、たまには遊びに来て欲しいのと、書籍の新刊や面白そうな娯楽が在ってら買い取るのでよろしくと言われた。
中々に濃い内容の滞在だったが、先に進む為に別れを告げた。
40階層へ向かう門の前まで街の方々総出で見送ってくれた!
女性型のダンジョンモンスターの比率が多く様々な方から途中でお誘いを受けたが殆どが捕食者の眼だったので丁重にお断りした。
ルイ姐さんも一緒だったのでそれ以上は踏み込んで来なかったのは助かった。
「それでは、短い間でしたがお世話に為りました。」
「良い良い、また何時でも遊びに来い! 今度は最高の思い出にしてやろう♡」
挨拶を交わして、その場を後に40階層の階段へと向かった。
「うむ、中々楽しい男じゃったのう、わしの誘いもこの街の効果も通用しなかった、情欲渦巻くこの街を平気な顔で素通りして行き、面白い物を色々と残していきおった・・・ふふっ 次に訪れた時は本気で落としてみようかのう♡」
そう呟く、ルイの九つの尾が
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