第94話 元おじさん・・・街を巡る。
36階層の悲劇(おじさんだけ)を後にしておじさん達は37階層へと進んだ。
37階層も廃墟では在ったが建物が違った、36階層は石造りの建物だったが、此方はバラバラの
「解、リトルオークにウェアウルフとウェアレパードです。
リトルオークの肉は、一体から取れる肉の量は少ないですが最高級品として取引されています」
ああっ、美味しいから襲撃しているのか・・・しかし酷い惨状だな。
完全に仕留めるとドロップアイテム分しか肉にありつけないから、生きたまま
まあ、これも彼等彼女等の知恵なんだろう。
お! 此方に気が付いたな、それじゃあ戦闘開始だ!
相手は近接攻撃が得意な様なのでおじさん達も魔法で牽制しつつそれぞれの武器で迎え討った。
若干速い攻撃ではあるが今までの異常な相手に比べると脅威は感じない。
次々と迫り襲い掛かる狼男と豹女、ウェアウルフはまぁお馴染みの知名度だから珍しくは無いけれど、ウェアレパードはもう少し人間寄りの顔が良かったな。
お胸を揺らしながら、お顔がモロ牙を剥き出した獣顔だと・・・コレじゃない!とおじさんの何かが
「問、マスターはケモナーですか?」
う~ん、ケモミミ、ケモ尻尾は守備範囲かな、自分はそこ迄ディープな領域には達していないから、一応調べた事は在ったけれど流石に踏み込めなかったな。
「問、ウェア系も無理ですか?」
何気に薦めて来ないでよラヴィ、今の所は無理だね!
「了、質問を終了します」
可笑しな事、計画しないでよ?
「・・・善処します!」
・・・大丈夫かなぁ、まぁ取り敢えずはこいつ等を片付けるか。
決着は結構あっさりとつき、周囲には此方の様子を物陰から
・・・当然、残らず狩りましたよ! ダンジョンなのだから絶滅する様な事は無いですし・・・何より希少で美味しいって言われると、おじさんも異世界に来てから脂身で胸焼けしなくなったので、お肉が美味しい事! 美味しい事! 食欲が増してきているのを日々感じている。
豚丼が食べたいな、甘辛ダレで味付けしたリトルオーク肉の丼物・・・考えたらお腹が空いて来た!
良し! 狩れるだけ狩ったら、38階層に行く前に琥鈴にお肉を預けて行こう!
そんな調子でおじさん達は37階層を蹂躙すると夕食用のお肉を届けて38階層へと向かった。
38階層も予想通り廃墟の様だったが、遠目で観察するとその廃墟では生活の真似事をしている人形型のダンジョンモンスターが徘徊している。
「解、アレはパペット・ピープルです、人形遣いの指示通りに行動する操り人形です」
と言う事は、近くに指示を出している者が居るって事か?
「解、パペット・ピープル自体は珍しくも無く、未熟な人形遣いの練習用の様な存在です」
練習用とは言え、これだけの数を操っているのか? 優に100体は動き回って居るぞ!
「解、全てを操ってはいない様です、決められた行動を繰り返しているだけです」
何の為にこんな事をしているんだ?
「・・・告、囮だと思われます、スキル索敵・探知・鑑定・看破を使用して調べましたが、廃墟の方にはパペット・ピープルに紛れてパペット・アサシンが潜んでいます」
ふむ、油断している所をざくっと刺す訳だ。
「解、更に廃墟の外周にパペット・ポーンとパペット・アーチャーが偽装して隠れた状態で取り囲んでいます!」
アサシンに気を取られている間に、ポーンで取り囲んでアーチャーで弓矢の雨を降らせると!
「解、最後にはその奥に控えているパペット・ホースに騎乗したパペット・ナイトが止めを刺しに来ます!」
あの大きくて長いヤリでずぶりと止めを挿す訳だ! (ア~~~~~~~!)
「解、通常で在ればそうなります」
で、人形遣いは何処なんだ? ラヴィ。
「解、39階層への階段付近にパペットマスター6体を確認出来ます! 廃墟街一つにつき一体がが担当している様です」
同じ廃墟街が6つ在る訳だ、趣向は若干違うだろうけど、同じじゃ意味無いし。
「解、それぞれ違う演出でおもてなしの準備がされている様です・・・受けられますか?」
今回は遠慮しておこうと思う、でも折角準備して貰ったのだからお返しにコレを送ろうかな!
ストレージから『魔槍雷鳥イカズチ』を取り出す!
カードから解放すると所有契約をおこない、ラヴィに標的の位置を表示してもらうと『魔槍雷鳥イカズチ』を軽く握り、脱力しながらパペットマスター達の方向へステップを踏みながら投げる瞬間にのみ力を込めて投擲した!
「鳴り叫べ、イカズチ!」
解き放たれたイカズチは雷が鳥を
流石に距離があり過ぎて視認は出来ないが、マップの表示が消えた事から討伐出来ただろう。
イカズチを呼び戻してその手に収めるとパペットマスターを失い、粒子化して消えたパペット達が残した、大量のドロップアイテムと宝箱を回収しつつ階段へと向かった。
39階層は月明かりが照らす夜の世界だった。
そして、階段からかなり離れた位置に明かりが灯っているのを発見したので、スキルで気配と姿を隠しつつ確認に向かった。
・・・おじさんは頭を傾げた? ん゛~~~? ダンジョンに街が在った?
廃墟では無い街が・・・ただし風俗街だった。
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