第78話 元おじさん・・・転移者を見つける。
おじさんは現在、ラヴィからの返事を待っています。
「報告します、返答が遅れまして済みません、報告が必要な武具及びマジックアイテムの選別が完了しました」
ああ、作業中だったんだ、急かして御免ね。
それで報告が必要な程の物ってどんな物? おじさんの胃に穴が開かない物?
アレは血を吐くし、苦しいし、ご飯が食べられないし、で辛いのよ。
「回答します、マスターは既に耐性を習得しているので胃潰瘍にはなりませんので御安心下さい。
ではまず、1品目の紹介です!
エリクサー2本です」
・・・What?
「再度報告します、エリクサー2本です」
聞き違いじゃなかった・・・ま、まあハイパーエリクサーじゃないだけ良いか。
「報告します、今回は残念ながらハイパーエリクサーは含まれておりませんでした」
いや、エリクサーだけでも十分過ぎるからね!
「了解しました、では2品目の紹介です!
魔剣ラパシティーです」
魔剣? ヒルディアや雷鳥イカズチの同系列の武器?
「回答します、武器としては同じ高ランクですが能力に関してはかなり異質な魔剣です」
異質かぁ、なんだか良い感じのモノではなさそうだな。
「回答します、魔剣ラパシティーはアダマンタイト製で能力は
・・・強奪か、う~ん・・・ラノベとかでは良くある話だけれども実際にお目に掛ると扱いに困る能力だよな、デメリットは在るのかい?
「回答します、強奪したスキルには僅かながら殺した相手の
なるほど、徐々に人格がおかしくなって行くのか、良くある話だ。
・・・ストレージに封印でお願いします。
「了解しました、次で最後になります。
異世界の戦士達が身に着けている戦闘服を見様見真似で衣類装飾の神々が色々と面白半分で製作した、キギョウ戦士のスーツです」
・・・え~と、ジャケット・ベスト・パンツ・ベルト・ワイシャツ・ネクタイ・ネクタイピンセット・カフスボタンセット、・・・ビジネススーツ?
「回答します、マスターの認識で間違い無いと思われます。
恐らく知識と認識のズレから勘違いされてこの様な結果に為ったのだと思われます。
ですが実際は、物理耐性・魔法耐性・各種状態異常耐性・気候適応・環境適応・色彩変化・不懐・浄化・サイズ自動調整、等の破格の性能を有しています」
うわぁ、こんなスーツを生前に自分も欲しかったな。
「回答します、現在でも密かに生産されている様で、ダンジョンや神々の試練の達成報酬で入手出来る様です」
小規模だけれど異世界の影響って出て居るんだね。
さて、改めて29階層の攻略を始めますか!
この階層から希少金属が多めに入手出来る筈だから。
「解、正確に言えばトンネルワームとメタルイーターのドロップアイテムと宝箱に希少金属のインゴットが含まれています」
29階層の鉱脈より多いのかい?
「解、鉱脈もこの2種類が食い散らかすので採掘には向きません。
むしろ討伐した方が採掘するよりも多くの希少金属が入手出来ます」
・・・それは討伐出来る人にしか出来ない事だよ。
さて、まずは脳内マップで階層内の掌握・・・あれ? ラヴィ!
「了、確認しました、セーフポイントに3名の生体反応があります」
冒険者かな、避難しているのか? 御休憩中なのか?
う~ん、気になるから攻略ついでにこっそり覗いて来るかな。
じゃあまずは、トンネルワームとメタルイーターを
向こうの索敵方法は対象の出す音と振動を感じ取って襲う様だから、すると近くをうろついて居たトンネルワームが反応して此方に向かって来た!
おじさんは叩いた場所から少し離れて、迎え撃つ為に十字雷槍をスタンバイしてマップでトンネルワームの動きを確認していた。
位置的に右の壁から出て来る様なので狙いを定める、振動と共に壁にヒビが入るとトンネルワームがそのギザギザの牙を剝き出しにした口腔を現す!
すかさず、トンネルワーム目掛けて十字雷槍を打ち込む!
バチバチと焼ける匂いと共にピクピク痙攣しながら力尽きるトンネルワームをドロップアイテムと共に収納して、次も同じ様に音と振動で誘き寄せて仕留めて行った。
メタルイーターも好物の金属をチラつかせたらホイホイと乗って来るし、入れ食いですね本当に!
ドロップアイテムも希少金属のインゴットがザクザクでおじさんには良い狩場だね、そろそろセーフポイントに近づいて来たので隠密で気配を消して接近してみる。
果たして、鬼が出るか蛇が出るか・・・恐らく冒険者だろうけど。
「は~~~~っ、しんでぇ! 何だよあのミミズとモグラはこっちの武器が殆ど通じねえじゃねえか!」
「騒ぐなよ、シンゴ! こっちだって疲れてんだからよ!」
「あぁん! やるのか!」「おぉん! 上等だ!」
「シンゴもケンジも落ち着け! ほら飯だぞ、腹が空くからイラつくんだ」
「・・・わりい、リュウイチ」「ごめん」
「応、まずは食っちまおうぜ! どうするかはその後に話そう」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「ふぅ~食った!」「落ち着いたか?」「ああ、腹が膨れたら落ち着いた」
リ「それじゃあ、シンゴ、ケンジこの先どうするセーフポイントまでは何とか来れたが、武器が通じないのはかなり痛い、魔法も俺達のスキルレベルだとまだ効き目が弱いし」
ケ「でも魔法は一応通用するからここでレベル上げをするか? 食料資材はアイテムBoxにまだそれなりに貯蓄は在るしよ」
シ「通用するって言ってもミミズは口の中にしかダメージ入らねえし、モグラはリュウイチの光魔法でしかダメージ入らないだろ、しかもチョットしか」
リ「・・・ミミズは上手く誘導出来れば
ケ「30階層に降りてみるのも一つの手段か?」
リ「かなり賭けに成るな、29階層よりも俺達との相性が良い魔物が居れば良いが更にヤバイのが居たら・・・」
シ「こんな時にオタク共が居たら色々聞けたのにな」
ケ「おまえ、あいつ等の事結構からかっていたろ」
シ「あ~、あんなのチョットした遊びだろ! 気になんてしてないさ」
リ「・・・無理せず一旦戻るか? 取り敢えず集めた素材と鉱石で武器と防具を新調してから再度29階層でレベル上げをしてさ」
シ・ケ「・・・・・・・・・・・」
リ「どうする?」
シ「良いんじゃね! 俺もそろそろ溜まって来たしよ! 発散したいぜ!」
ケ「まっ、まあ良いと思うぞ、穴倉の中にずうっと居るのも健康に良くないしな!」
リ「お前等、程々にして置けよ」
シ「リュウイチは行かないのか?
ケ「リュウイチは今口説いている
シ「え、まだあの受付のお姉さん狙ってるのか? でもよぉこう胸の大きい方が」
リ「うるせえよ! 後、手で表現するな! 手で!」
う~ん、取り敢えず青春している?
帰る手段も在りそうだし、無視して30階層に進むか。
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