第76話 元おじさん・・・やっと使う事を決める。
27階層に到着したので早速脳内マップを確認して状況を把握する。
近くには居ない様だ、さてここのダンジョンモンスターはどんな相手かな?
「解、ホブゴブリンファイター・アーチャー・シーフ・シャーマンにブラックパイソンが出現します」
ゴブリンの上位種、しかもジョブ持ちに大型の蛇か・・・
おじさんストレージからガチャカードを取り出して開放する、そしてその手に球状の金属が現れる、直ぐに金属に魔力を流し所有者契約を済ませると金属の球体は突然ドロリと融け出して右手に絡みつく、絡みつく液体金属の様な物にイメージを送ると瞬時に2m程の棒へと姿を変えた。
「問題無く機能するな、これから頼むぞ『無形の武具ヒルディア』!」
そう告げて棒の先端を槍の穂先に変えたり、鋭い鎌に変えたりと色々な形状に変化させてみた。
軽く素振りをしてみたが手に馴染んで使い易い、所有者契約をすると使い手の使い易い様に調整されるのだろうか?
「解、その様な調整がされるのは一部の上級クラスの武具やマジックアイテムだけです。
通常は所有者以外が使用出来ない様に制限を掛けるだけのものです」
なるほど! 専用武具か! ちょっとワクワクして来た! チョット試して来る!
脳内マップを活用してホブゴブリンの3体のパーティーを捉えた、気配を消しながら鑑定するとファイター2体のシャーマン1体、チャチャ達には周囲の警戒をして貰い、おじさんが一人で襲撃する。
「ぎぎゃ!」「げぎが!」「ががげご!」 意思疎通出来ているみたいだな、まずはファイターを1体!
ヒルディアを棒状態にしてホブゴブリンファイターAに突き出す!
ファイターAは首元ギリギリで躱してニヤリと笑い反撃しようとするが棒の先端を短い鎌に変化させ若干撫でる様に引き戻した!
引き戻す際、何の抵抗も無く引き戻せたので若干不安に成ったがファイターAの頭が、ことり!と落ちるのを確認してファイターBに標的を移す。
ファイターBは目の前の状況に困惑し一瞬動作が遅れたが、立て直して盾で急所を守る様に構えた。
だがヒルディアにはそれは悪手だ!
ファイターBの盾目掛けて棒状態のヒルディアを横殴りに叩き付けると共に先端を鞭の様に変化させてファイターBの首に巻き付かせる、手応えを感じたら巻き付いた部位に細いワイヤーをイメージしながら力一杯引き抜く!
シュッ!と空気を切り裂く音と共にファイターBが崩れ落ち、後方で詠唱をしていたシャーマンが呪文を完成させ
『ギャギガー!』 火の塊が
この程度ならおじさんの魔法防御は貫けないので正面からヒルディアで叩き付けてみる!
ヒルディアが触れた途端、ボシュッ!と音を立ててファイアーを掻き消した!
シャーマンは驚き慌てふためいて次の呪文の詠唱に手間取っていた、此方もヒルディアの一部に違和感を感じて調べてみると
ストックした魔法は任意のタイミングで解放出来る様なので、ヒルディアを槍に変化させると穂先に魔法を移動させて逃げ様とし始めたシャーマンの頭部目掛けて突き刺した!
頭蓋を刺したはずだがほぼ抵抗無く突き刺さり一拍置いてから魔法を解放!
ボンッ!と音を立てシャーマンの頭部が燃えた!
頭が燃えたままストレージに収納したが火は消えるのだろうか?
「解、ストレージ内で消火しますので問題ありません」
なら安心だ、さてドロップアイテムを拾って次の相手を探そう、今度はチャチャ達も参加して良いからね。
その後はサクサクと討伐を続けて、やっと全長約4m程の大きさのブラックパイソンを発見した。
マップには表示されて見つけるのだが
「解、如何やら危険感知のレベルが高い様でホブゴブリンとの戦闘中に横やりを入れないで逃げる事に集中している様です」
あまり好戦的では無いのか?
「解、その様な事は無いのですがマスター達に対して危険を感じている様です」
危険感知は誤魔化せないのか?
「解、ある種の本能の強化版みたいなモノなので脅威そのものを
・・・そうなのかぁ、じゃあ追い駆け回すしかないか、まずは目の前の・・・。
チャチャ達が先に仕留めていた、粒子になる前に収納しちゃおう。
此処からはブラックパイソンを追跡しつつ邪魔するホブゴブリンを駆逐して冒険者に見付からない様に(この階層にはあまり居ないらしい)鉱脈も吸い上げて行こう。
何故ブラックパイソンに
何時の時代も世界も元気は大事!
そんな訳で皆の元気の為にブラックパイソンを満足するまで狩り続けた!
そして只今28階層に居ます、ここからは採掘にも力を入れよう。
何せこの階層から少量ですが希少金属が採掘出来るので気合を入れ様かと思っていたら。
「告、29階層はここよりも多く希少金属が入手出来ます」
28階層のダンジョンモンスターて何?
「解、クレイゴーレムとトラップボックスの魔法生物です」
クレイゴーレムは土で出来たゴーレムでトラップボックスは?
「解、トラップボックスは宝箱に擬態した魔法生物で冒険者が近付いて調べたり開けようとすると突然開いて内部の罠を起動させます。
罠もそれぞれランダムに為っておりどの様な罠が仕掛けられているかは蓋が開く迄は判りません、ただし鑑定すれば一発で判ります」
情報が知られていれば注意するだろ、引っ掛かるのかそんな物に?
「解、その罠に引っ掛かり負傷して、更に罠が発動するとトラップボックスは消滅してしまい。
そんな状態で帰還するので情報が曖昧になり、この階層はクレイゴーレムのみの出現で宝箱が出やすい階層と認識されています。
更にトラップボックスは自身では移動出来ませんので、クレイゴーレムに運んで貰います。
その運搬中にクレイゴーレムが討伐されると冒険者は宝箱と勘違いしてトラップボックスの餌食に為ります。
一番厄介なのはトラップボックスがスキルレベルは低いですが魅了のスキルを所持していますので意志の弱い冒険者はホイホイ引き寄せられます」
駄目じゃん! どう考えても駄目な未来しか見えない!
「告、更に付け加えますと、トラップボックスを討伐すると確実にランダム形式でS~Fランクの宝箱がドロップします。
高ランクはドロップ確率が低いですが」
おうふ、 ぬ 沼が見える!
「?、マスターここに沼地は在りませんが」
・・・これ報告しても報告しなくても被害が出るな、如何しよう?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます